「あのさ…」
「…はい?」
「勘違いではないと思ってんだけど…」
「…うん?」
「俺のこと、好きですか?」
「えぇっ!?」
「いやっ、違う!間違えた!俺が…好きなんだ…けど…どう?」
「え…どうって?」
「俺と…どう?」
なんかもう色々考えていた言葉なんてどっかに吹っ飛んでしまって。
ポンポン出てくる言葉は意味不明な言葉しかねぇ!
それでも俺の今の正直な気持ちを伝えたいと思うから…
「え、本当?本当に…好きですか?」
ようやくまともに通じたらしい俺の言葉は、照れまくっている汐莉さんの表情と一緒に俺に届いた。
「うん好き…」
「…嬉しいです!…ずっと気になってたから…。他の部署の人と深く関わることって中々なくて。初めて佐藤さんを見た時は単純にカッコイイな〜って思っただけで。でも会議が続いてた時あったでしょ?」
「うんあった」
「会議室の前で小さく溜息ついてね。でもやる気ないとか疲れたとか…そういう感情一つも出さないで笑顔で会議室入って行った佐藤さんを偶然見かけたの!…その時“好きだな〜”って思ったの」
汐莉さんが笑って…
いつの会議かなんてじつは覚えてないけど…見られてたことの恥ずかしさより、そんな風に思ってくれたことが嬉しくて…「汐莉…」って呼んだ。
「兄ちゃん等、おっちゃん見てへんからチューでもしたらええよ!」
聞こえたのは関西弁のタクシー運ちゃんの声で…。
俺らの会話を当たり前に聞いてたわけで…そんな気遣いまで…
「いやぁ…でもねぇ…?」
そう言って汐莉を見たらブンブン首を横に振ってやがって…
「あたし絶対人前でなんか出来ない!」
断固拒否された。
「ダメ…?」
そう言いながらちょっと強引に引き寄せるとバシンって鞄で叩かれる。
「絶対、嫌っ!」
あぁ…俺の甘い時間…
ま、そらそーだな。
「分かった。なら篤志って呼んで?」
「…篤志」
真っ赤な顔でそう呼んだ汐莉の髪に触れると又、恥ずかしそうに笑ったから…理性急上昇で。
チュッ…―――
時には強引さも必要だろ!
あ、直人に一番に報告してやろう!
―――完―――