「ごめん」
「うん、でも…その後直ちゃんあたしにも同じことしたでしょ。…ゆき乃には敵わないんだって分かってたけど、あたしのことも少しでもそーゆう対象に見てくれているのかなって思って。悔しかったけど、本当は少し嬉しくもあったんだよ」
そう言って奈々ちゃんが俺を見つめた。
まさかそんな風に思ってくれたなんて知るわけもなく、俺はもうちょっと女心も理解できるように男を磨かないといけないなぁってつくづく思ったわけで。
「でも恥ずかしいって気持ちと、やっぱり意地もあって、ずっと素直に直ちゃんと話すこともできなくて…ゆき乃に相談したら“大丈夫”って笑うだけでね。まさか今日こんな風になるなんて思わなかった。…でもやっぱり嬉しい」
そう涙目で笑う奈々ちゃんは、最高に可愛くて…
この子が俺を選んでくれてよかったって、心から思う。
「もう、いい…もうオレ泣いちゃいそうだから、もういいよ」
奈々ちゃんの頭に触れてそう言うと、奈々ちゃんが嬉しそうに笑った。
同時に湧き上がる熱い想い。
「もうあんな風にしないって約束する…だから今度はちゃんと…」
「え、今ここで?」
頬に手を添えたら、奈々ちゃんの顔が少し引きつって…
でも俺の気持ちは止められそうもなくって…―――
「ではここで新郎、新婦…誓いのキスをお願いします!皆さんシャッターチャンスですよ」
超ラッキーなマツさんの声に俺は微笑んだ。
ちょっと引け目なゆき乃の腰をグインって強引に引き寄せる良平さんにみんなが笑っている中、俺たちは一番後ろの壁に隠れるように、愛のこもったキスをした…――――
「おおっと、まさに幸せ連鎖です、皆さん後ろに注目!」
聞こえたマツさんの声に、今度は俺と奈々ちゃん宛ての歓声が沸き起こったんだった。
ほらね、聞こえる。
幸せへと続く、オレ達みんなのウェディングベルが…―――
―――完―――