「やだ、あたし何もしてないし、あたしこそゆき乃ちゃんに酷い事しちゃったって」
うっすら涙を浮かべる莉子さんは本当にまこっちゃんの言う通り。
「もー莉子さん本当¨お人よし¨ですね」
そう笑ったらボンッ!って莉子さんが真っ赤になった。
「あのゆき乃ちゃん、もしかして聞いてた?」
「はい!¨どーいうつもり?¨からだいたい全部」
「うそぉ!!!」
真っ赤になって両手で顔を隠す莉子さんはめちゃくちゃ可愛くて、この人の好きな人がまこっちゃんで良かった…って心から思った。
万が一莉子さんの心にいたのが黎弥だったなら、あたしはきっと笑顔すら失ってしまうんじゃないかと思えるくらいに、あたしの中は黎弥でいっぱい。
人の幸せの裏には、誰かの悲しみがあるのかもしれない。
でもそれはうまくいえないけど、本当の悲しみじゃないっていうか。
その悲しみがあってこその幸せなわけで。
悲しみは幸せの土台なんだって。
あたしはただ諦めの悪い女々しい奴なのかもしれないけど、何事においても「諦め」なければ願いは叶うんだって、そう思うんだ。
って事で黎弥と帰る気満々のあたしは、突然腕をグインと引っ張られて…
「あの人肉食だぜ」
耳元になっちゃんのふざけた声が届いた。
「…それもひっくるめて全部好きだもん!」
あたしの言葉になっちゃんが「そーかよ」って笑った。
機嫌良く黎弥の腕に後ろから抱き着くと、「コンビニ寄らねぇとな」って笑うその笑顔が、キラキラ眩しかった。
―――END―――