はたから見たら幸せっていうのかもしれない。
優しい彼氏に愛されていていいね〜…って。
でも、どんなカップルだって抱えている悩みはあるんじゃないかな?
人一倍独占欲が強いくせに、いざとなると弱気になっちゃう。
あたしが想う気持ちと同じくらいの…
むしろそれ以上の気持ちを返して欲しいと願うのは、我が儘なんだろうか…
できるなら、あたし以外の女子と仲良くしないで。
なんて、言えやしない。
――――――――――…
ホテル-Happiness-株式会社。
社内恋愛率90%のこの会社。
あたしもこの会社の中で最愛の人を見つけた。
“人の幸せが自分の幸せ”っていうあたしの彼氏の青山陸くん、こと陸ちゃんは、その言葉の通り人に優しくて自分に厳しい人。
勿論ながらあたしにはすっごく優しくてもう言うことないって思っている。
つい先日、結婚はまだにしろ、埼玉にある陸ちゃんのご両親にあたしを紹介してくれて。
幸せ絶頂って気分だったのは束の間。
その嵐は突然やってきたんだ…
あれ?あんな子いたっけ?
そう思ったのは、ここ1週間くらいで。
あたしがいる経理課と陸ちゃんがいるデザイン課はフロアの階が違っていて、仕事中滅多に会うこともない。
だからかな?
陸ちゃんの部署に新しい人が入ったっていうのは聞いていたけど、
ちょっと可愛くない??
「どうしたの?」
声に振り返ると、チマっと立っている莉子。
高校の時の同級生で偶然にも同じ会社で再会を果たしたんだ。
そんな莉子とは当たり前に仲良くしていて、最近莉子にも彼氏が出来て幸せオーラ満載って顔であたしを見ている。
「え、うん。あの子陸ちゃんの部署に入った子…」
相武紗季ちゃんみたいなファッションで、ニコニコ笑顔のその子を教えているのは陸ちゃんだった。
あんな可愛い子が側にいるだけであたしはもう不安で。
別に陸ちゃんを疑っているわけじゃないれど…
自分に自信が持てないあたしはもう、ズシーンと落ちてしまったようで。
「へぇ〜…って美桜ちゃん落ちすぎじゃない!?」
パシって全然痛くない莉子の突っ込みが入った。
くすくす笑っているけど、あたしは苦笑いしか出来なくて。
「ちょっと可愛いよねあの子」
たぶんこうなったら何を言っても無駄だって莉子は分かっているのか、「そう?」って言うだけ。