信じる強さ3


デザイン課は元々男性社員ばっかりで、女性社員さんは40代のおばちゃんが二人いるだけだった。

なんでこの時期に異動なんだろう?

何か不安。


「そんな顔してるなら不安解消してきなよ、ほら!陸く―ん!」


吃驚するような大声でいきなり莉子が叫んで、陸ちゃんも周りの人もあたし達の方を見る。

あたしを見てニッコリ笑った陸ちゃんは、サラサラの茶髪を靡かせてすぐに駆け寄って来てくれた。


「美桜何してんの?」

「あ、未収配布中。陸ちゃんは?」

「俺、案内中。あ、こちら名古屋から異動になった遠藤サチコさん」


陸ちゃんの後ろ、相武ちゃんなサチコがあたしと莉子に頭を下げた。


「んで、こっちが慎の彼女の莉子さんで、これが俺の彼女の美桜!!」

「この人が美桜さん!!陸の今カノか〜!!」


は?

急に馴れ馴れしくなったサチコはあたしを上から下まで見るとフッて笑った。


「陸くんどういう意味?今カノって」


すかさずそう聞くあたしの隣にいた莉子は、ほんの少しだけ陸ちゃんを睨んでいるようにも見えて。

でも、あたしの聞きたかったその一言を簡単に言葉にしてしまう莉子にちょっと感謝しつつも質問の答えが怖くて。

苦笑いの陸ちゃんはサチコのことをペシって軽く叩いて口を開いた。


「あー…前に付き合ってました。でも前だよ!今はもう違げーし、こいつも彼氏いるし、俺は美桜だけだし…って、美桜聞いてる??」


納得。

サチコの視線の意味納得。


「美桜ちゃん目据わってるけど」


莉子の声も陸ちゃんの声もハッキリ聞こえていたあたし。

それでも「うん」とだけ言って、クルっと向きを変えた。


運よく?お昼休みのチャイムも鳴ってあたしはそのまま外に出た。

あの子、絶対今でも陸ちゃんのこと好きだよ。

だってあたしのこと上から下まで馬鹿にしたように見た。

あんな可愛い子と付き合ってたんだ、陸ちゃん。

みんなが認めるような可愛い子と…