「すっげぇー顔…(笑)」
「……?」
オムライスをパクついていたあたしを覗き込む様に、ニカって笑顔を見せるのは広報課にいる健太。
陸ちゃんと同期で、じつは陸ちゃんの大親友。
ルックスはもちろん、女扱いの慣れている健太ははうちの会社でも1、2を争う人気者で。
あたしは密かにこの健太にほんのちょっとだけ憧れていたりする。
勿論それは恋愛感情じゃなくて…
ただ、健太に憧れている…言っちゃえば、ブラウン管の中のアイドルのファン的なもの。
「遠藤さんのこと?」
「…知ってるの?」
「一応陸の親友だから」
そう言ってタコライスをバクバク食べていて。
あたしがオムライスを半分も食べ終わらないうちに、健太のタコライスはもう、残りわずか。
「なんでこの時期に異動?ってかいつぐらいに付き合ってたの?もしかしてまだ陸ちゃんのこと好きなんじゃないの?…って???」
完全にあたしの口調を真似て、ほんのちょっと首を傾げて女っぽい仕草をする健太のお皿はもう空っぽ。
大口開けて水をガバガバ飲んでいる。
心の内をまんまと読まれてあたしは苦笑いしか出来なくて。
やっぱりあたし顔に出てるんだろうな…
昔っからそう!
不安とか不満とか、すぐ顔に出ちゃうみたいで。
でも、陸ちゃんはそれが嬉しいって言ってくれた。
「俺の前では何も隠さないで全部出してね!」
って、逆にあたしを褒めてくれて。
「別に美桜が気にしてるようなことは、何もないと思うけど?」
健太が言うならそうなのかな?
健太は決して嘘つかないから。
「うん、そっか。有難う!」
ようやく笑顔を取り戻したあたしがその数日後に見たのは、そんな健太の言葉をも覆すような出来事だった。