【side 莉子】
「美桜ちゃんようやく笑顔が戻ったねぇ」
「ん〜。見てんの辛かったけど俺なんかが入っても何の役にも立てなかっただろうし。でも莉子が黙って側にいてあげたのも、美桜さんには有り難かったんじゃないの?」
陸くんの隣でニコニコしている美桜ちゃんを見て、慎くんと二人そんな会話を繰り広げていた。
色々聞きたい事もあったけどまたにしようと思う。
やっぱり美桜ちゃんの笑顔は周りを幸せにしてくれるっってあたしは思うんだ。
「そうかな〜。あたしなんていてもいなくても」
「俺にはいてもらわないと困るけど」
ちょっとだけ強引に慎くんがあたしの言葉に被さるようにそう口にして。
テーブルに肘をついたまま腕だけをあたしに伸ばして前髪をクルンてする慎くん。
ゆっくりとした仕草ってだけでドキドキしちゃうのはあたしだけだと思うけど。
「…口…」
「ん?」
「口半開きだよ…」
ムッとしたのは恥ずかしいからで、慎くんがわざと半口開いてセクシーに見せているからで。
「んふ、男前だった?」
「別に!」
あたしも美桜ちゃんと同じくらい素直じゃないかもしれない。
膨れっ面のあたしを見て「素直じゃないなぁ。俺のこと好きでしょ?」なんて言い出す慎くんを可愛いと思わずにはいられない。
きっと、幸せそうに見えてもそうじゃない恋人達なんて山ほどいるんだって思った。
とりあえずあたしと慎くんまだ始まったばかりだから大丈夫かな…