「ん…」
頬に落ちる涙を陸ちゃんが拭ってくれて、一時見つめあったその瞬間、パパパパパパ――――ン!!ってクラッカーの割れる音があたし達の頭上を舞った。
「ひゃっ!」
吃驚した声で顔を向けると見てないはずのみんながあたしと陸ちゃんを見ていて。
「公開プロポーズ予約おめでと――ございますっ!」
ふざけたなっちゃんの声と大きな歓声が聞こえた。
あたしは目を真ん丸くして見ていて…
「陸、幸せにしてやれよ!」
そんな声が飛び交って莉子とゆき乃ちゃんも笑顔で手を叩いていた。
「もう…」
本当お祭り騒ぎが好きなんだから!って笑っちゃって。
涙も渇いたあたしは陸ちゃんの隣で笑顔を振り撒いた。
「あー、そこの二人!便乗すっなら今のうちだよ?」
そうなっちゃんが言った先には莉子の長谷川くんと、ゆき乃ちゃんの黎弥くんがいて。
どこまでもなっちゃんのお人よし加減が伝わってちょっとだけ胸が痛かった。
あんな風に好きな人の幸せを一番に願える人は、とっても強い人なんだなってそう思う。
自分の気持ちを押し殺してまでも、愛する人に幸せを与えてあげられるなっちゃんをあたしはとってもかっこいいと思う。
陸ちゃんの次にね!
その想いがゆき乃ちゃんに届くことは決してないけれど、今のなっちゃんはとても幸せそうに見えてとても輝いている。
あたしもあんな人になりたい。
陸ちゃんの側で、陸ちゃんが見守って見ていてくれるなら、あたしはきっと誰より強くなれるってそう信じるよ。
不安は消えない。
それはあたしの性格だから仕方のないこと。
でもそれをネガティブに考えたらいけないかなって。
それも全部含めて美桜って人間を愛してくれる陸ちゃんのことだけは、この先一生信じるよ。
「今すげぇーいいとこだったんだけどなぁ〜」
あたしの隣でちょっぴり不貞腐れている陸ちゃんの耳元で…
「あたし早く約束欲しいなぁ…」
なんておねだりしてみたら
「…オッケー」
照れたように陸ちゃんが笑った。
それが違う意味での照れだったなんてことはこの日の帰りに二人きりになった時に知るお話だけどね☆
――完――