そう言うのは、以前ゆき乃さんと話をしていた“竜太くん”さんの腕にしがみついている背の高いショートヘアーの女の人で、けんたを見て笑っている。
「俺人前であんな過激なこと、無理だな」
まるで自分がしたみたいに恥ずかしそうな顔を浮かべているのは“竜太くん”さんで。
「ハルは構わないのに〜竜太くん照れ屋さんっ!」
チョイって色黒な“竜太くん”さんの頬をつついた。
あの日見たのはきっとこの“ハル”さんの後ろ姿なんだろうなってそう確信した。
「つーか、どーでもいいけどマジ邪魔すんなよ。今すげぇいいとこだったのに」
「いいじゃん!みんなで飲み行きましょうよ?」
そう言いだしたのは夏喜さんで。
こんなカップルばっかりの中でよくやっていると、心の中で感心してしまった。
あたしはまだけんたに聞きたいことが山ほどある。
どうしてあたしのこと好きになってくれたの?
主にそこが聞きたいこと第一位なんだけど。
この状況じゃとても聞けそうにない。
それはけんたも分かったみたいで…
あたしの耳元に唇を寄せると…
「今日は帰さねぇから」
そう言って、弾けている夏喜さんの背中を後ろからどついた!
あたしは色んなことを想像して顔が赤くなっている気がして…
元気にはしゃぐけんたの後ろ姿を見て、やっぱりこの人が大好きだな…って確信したんだ。