憧れと恋の違い17


「ねぇねぇ、健太さんめっちゃチューしてなかった?」


そう言うのは、以前ゆき乃さんと話をしていた“竜太くん”さんの腕にしがみついている背の高いショートヘアーの女の人で、けんたを見て笑っている。


「俺人前であんな過激なこと、無理だな」


まるで自分がしたみたいに恥ずかしそうな顔を浮かべているのは“竜太くん”さんで。


「ハルは構わないのに〜竜太くん照れ屋さんっ!」


チョイって色黒な“竜太くん”さんの頬をつついた。

あの日見たのはきっとこの“ハル”さんの後ろ姿なんだろうなってそう確信した。


「つーか、どーでもいいけどマジ邪魔すんなよ。今すげぇいいとこだったのに」

「いいじゃん!みんなで飲み行きましょうよ?」


そう言いだしたのは夏喜さんで。

こんなカップルばっかりの中でよくやっていると、心の中で感心してしまった。

あたしはまだけんたに聞きたいことが山ほどある。

どうしてあたしのこと好きになってくれたの?

主にそこが聞きたいこと第一位なんだけど。

この状況じゃとても聞けそうにない。

それはけんたも分かったみたいで…

あたしの耳元に唇を寄せると…


「今日は帰さねぇから」


そう言って、弾けている夏喜さんの背中を後ろからどついた!

あたしは色んなことを想像して顔が赤くなっている気がして…

元気にはしゃぐけんたの後ろ姿を見て、やっぱりこの人が大好きだな…って確信したんだ。




―――完―――