台風15号接近中。
何かが起こる予感―――――
「うわっ、すげっ雨っ!!!」
そんな声が聞こえて私は慌ててバスタオルを持って玄関へと行った。
「おう、ただいま!」
「大丈夫?シャワーする?」
既にシャツを脱ぎ捨てて上半身裸で廊下を歩く堀夏喜こと、なっちゃん。
私となっちゃんは幼馴染みで、今日はお互いの両親の結婚記念で私となっちゃんだけを残して旅行に行ってしまった。
―――つまりは二人きりで。
部活から帰ってきたなっちゃんを出迎えたというわけだ。
「うん、シャワーするする!風呂沸いてる?」
「もっちろーん!」
「あは、さすが!」
ニコッと可愛い笑顔を私に向けると、シャツを肩にかけて、反対の手で私の前髪をクシャっと触った。
「でしょう!いいお嫁さんになれると思わない?」
そう言う私を振り返って「誰もいなかったら貰ってやるよ!」……片想いしているのは私で。
この溢れる気持ちをいつかなっちゃんに言えたらいいなっと思っている。
なっちゃんが私をどう思っているのかは分からない。
幼馴染みとして好きでいてくれているのは分かっているけど、それ以上の気持ちがあるのかなんて分からない。
恋に臆病な私は、この関係が壊れることが怖いんだ。