「な、んの、話し?」
とりあえず惚けてみると、颯ちゃんが残念そうに溜息をつく。そんな顔、しないでよ。
机にぽこって座ると胸ポケから煙草を取り出して火をつけた。白い煙が私たちの間に流れては消えていく。
無言のまま一本吸いきった颯ちゃんは、おもむろに息を吐き出した。
「西田さんとはなんもあらへんよ。」
亜芽ちゃんのこと、弁解しているけれど。
「ラブラブ写真がインスタにあがってたわよ。」
「たまたまや。別にラブラブちゃうわ、あんなん。」
「でも、肩組んでた。」
「...写真撮る言うたらくっつくやろ、」
「肩組まないもん、私は。」
「まぁ確かにゆき乃ちゃんはそないことせえへんかもな。悪かった。」
え、なに?なんで謝った?なんか怖いよ颯ちゃん。
「力也にブーブー言うてたこと、全部直で俺に言えや?次からは。」
「...待って!リッキーに何聞いたの?」
回答次第では奥田くん許さないんだから!
「何って、決まっとる。ゆき乃ちゃんが西田さんに妬いとるって。」
奥田―――――――!!!!!!
「いやまぁ、分かっとったけど。けど俺かてゆき乃ちゃんの気持ちを大事にしたいねん。」
一歩、ゆっくりとこちらに近づく颯ちゃんに後退りする。それが気に入らなかったのか、また一歩、二歩、とこちらに歩を寄せる颯太ちゃんに、後ろに下がろうとしたら「逃げんなや。」ってちょっと低い声で言われた。