「大人気ないヤキモチ妬いたじゃねぇか…」
少し照れくさそうにそう言う先生。
あたしはというと、基本慧人と一緒でアホだけど、先生の言ってることぐらいは分かった。
「それで毎回慧人を当ててたの?」
「言わせるなよ」
「…先生、聞いてもいい?」
その質問に、仕方なく顔をあげる先生。
「なんだよ?」
「あたしのこと好き?」
「内緒」
前と同じ答えだったけど、その後先生はあたしを覗き込むように見つめて…
そっと甘い口づけを落としたんだ…――――
「先生以外で経験つめって言ったくせに」
何度も何度も角度を変えてキスを繰り返した後、舌をあたしの中から出した先生に向かってそう言った。
「あの時はそう思ったんだよ。お前のこと生徒以上に見てるつもりないと思ってた。けどな、木村のキスマーク見てからお前のことちょっと気になって、そんな気持ち持っちゃいけねぇって思ったんだけど、そう思ってる時点でお前を気にしてるってことだろ!そしたらまぁ、俺のものにしたくなったわ」
長い先生の告白にキュンとしちゃう。
「夏輝さん」
「…なんだよ?」
「あたしのこと好き?」
「…みたいだな」
「卒業まで待てる?」
「待てるかよ」
チュッて軽いキスが届く。
「神谷先生と一緒になっちゃうよ?」
「ばーか!神谷先生とは気持ちが違う!…大事にしてやる」
…やば。
先生を誘惑するつもりが、あたしが誘惑に負けちゃうよ。
卒業まであと少し。
あたしと夏輝先生の秘密の放課後、誰にも内緒の生物室の情事。
*END*