episode 08


「大人気ないヤキモチ妬いたじゃねぇか…」



少し照れくさそうにそう言う先生。


あたしはというと、基本慧人と一緒でアホだけど、先生の言ってることぐらいは分かった。




「それで毎回慧人を当ててたの?」


「言わせるなよ」


「…先生、聞いてもいい?」




その質問に、仕方なく顔をあげる先生。




「なんだよ?」


「あたしのこと好き?」


「内緒」




前と同じ答えだったけど、その後先生はあたしを覗き込むように見つめて…


そっと甘い口づけを落としたんだ…――――





「先生以外で経験つめって言ったくせに」




何度も何度も角度を変えてキスを繰り返した後、舌をあたしの中から出した先生に向かってそう言った。




「あの時はそう思ったんだよ。お前のこと生徒以上に見てるつもりないと思ってた。けどな、木村のキスマーク見てからお前のことちょっと気になって、そんな気持ち持っちゃいけねぇって思ったんだけど、そう思ってる時点でお前を気にしてるってことだろ!そしたらまぁ、俺のものにしたくなったわ」




長い先生の告白にキュンとしちゃう。




「夏輝さん」


「…なんだよ?」


「あたしのこと好き?」


「…みたいだな」


「卒業まで待てる?」


「待てるかよ」




チュッて軽いキスが届く。




「神谷先生と一緒になっちゃうよ?」


「ばーか!神谷先生とは気持ちが違う!…大事にしてやる」





…やば。


先生を誘惑するつもりが、あたしが誘惑に負けちゃうよ。





卒業まであと少し。


あたしと夏輝先生の秘密の放課後、誰にも内緒の生物室の情事。





*END*