「最近不倫ドラマ多いね!昼顔から一気に増えたよねぇ。でも不倫の果てなんて結局全部失うだけじゃん。でも旦那以外の男に抱かれるって考えると、ちょっと萌えるかも…それこそ自分の性癖が出そうだよね!」
昼下がりの平日。
友達の出産祝いで地元の友人が集まってお祝い。
3人目を無事に出産した友人を前に唯一残った独身女の私は、連れてきた子供の相手で手一杯だった。
「ゆき乃がいるから今日は楽だ」
ばくばくお菓子を食べながらそんな話をしている主婦たちに間違いなくそう思われているであろう私。
子供嫌いを公言しているものの、どうにも子供の扱いが昔からうまく、物凄い寄ってこられてしまう。
私1人で5人も6人も見れるわけないというのに、主婦たちは旦那の愚痴から始まり、子供の幼稚園の話、それからようやく旦那との夜の話題と話は進む、進む。
確かに不倫の行く末を考えると一般常識範囲内では、やったからにはそれ相当のバツがくだると思う。
ただ、不倫だからというわけではなく、人間として人を愛する気持ちだけはいいことなんじゃないかって。
恋ができない、出会いがない!と言っている何もしていない人に比べたら、恋をしている人はきっと輝いている。
まぁ、友達のお古なんて、サラサラいらないけど。
「疲れた…」
車で友達を一人づつ送っていきつつ、家まで後数分って所でふと思いついた。
「今日いるかな…」
立ち寄ったのはガソリンスタンド。
「いらっしゃいませ!あ、ゆき乃さん」
ニコッと私に笑顔を向ける彼、勇征くん。
このスタンドでバイトしてる学生さん。
私の恋人の後輩の勇征くん。
物凄いイケメンなのに謙虚で可愛い。
密かに気になる存在だった。
でもだからって別に勇征くんも彼女いるし、そーいう対象ではなくて。
ただ、ほんの少し思うんだ――――――
―――――黎弥意外に抱かれるなら、この人がいいって。