「ハッピーハロウィン!!」
パンパンパンパンパンッ!!
みんなで一斉にクラッカーを鳴らして笑う。
慧ちゃん宅でのハロウィンパーティー当日、吃驚するぐらい本気の仮想をしているみんな。
私とゆき乃は宣言通りサンタクロースの格好をしている。
ゆせくんは孫悟空のコスプレ。
スーパーサイヤ人らしく、髪をスプレーで金髪にしてガッチガチに固めてある。
黎弥はパイレーツのジャック!
見事なカツラとメイクをしているけど、一体誰がやったの?ってぐらい完全体である意味近寄りがたい…。
颯ちゃんはまさかのゾンビメイク。
ごめんだけど、黎弥より近寄りたくないよーそれ。
なっちゃんこそビシッと決めてくるのかと思ったらまさかのピーターパン。
グリーンがやたら似合っている。
「俺大人になりたくないんだよねー」
なんて言ってる。
私たちの中で一番大人な気がするけど。
それから慧ちゃんはというと……
「か、カッコイイ…」
「ほんと?」
「うん、なんでそんな格好するの?ズルイ!」
「え、ズルイって、ごめん…」
困ったような顔だけどその瞳はブルーで。
黒いマントをかけて色白の肌。
笑うと見える牙と長い爪……
「慧ちゃんになら身体の血全部吸われてもいいや私…」
こんな素敵なバンパイアなら本望だよもう!
「え?いいの?あのさ汐莉先輩。今日夜親いないの…。みんな帰った後ゆっくり血吸ってもいい?」
マントに隠れてそんな誘惑。
昨日の初キスから展開早くない?なんて思ったものの…
黙ってられない私は昨日ゆき乃に電話して色々聞いてみた。
ゆせくんとのことを。
「ゆせと?早いとか分かんないけど。私ゆせとしか付き合ってないから。告白された日の帰りにキスされて、その一週間後ぐらいだったかなぁ…親いないって部屋に呼ばれてそのまま…。あー汐莉も女になっちゃう!ゆき乃は嬉しいやら寂しいやらだよー。でも慧ちゃんなら安心!今日の慧ちゃんちょっとかっこよかったよね!」
そんなゆき乃との会話を思い出してゴクリと唾を飲み込んだ。
一週間も一日もたいして変わらないよね。
私は慧ちゃんを見上げてニコッと微笑んだ。
「ゆき乃にアリバイ頼んどく」
「…うん。ちゃんと大事に思ってるから」
頬を指でなぞられて優しく微笑む慧ちゃんに、ちょっと背伸びをして頬にキスをしたら、真っ赤になって目を逸らしたんだ。
早く夜にならないかなぁ……
*END*