外に出るともう、ネコと未来の姿はそこにはなくって、派手に暴れていた夏喜が怪我した肘を外の水道でバシャバシャ洗っているのが見えた。
「なっちゃんは気性が荒すぎない?」
「…すいません。」
「心配してんだよ、ゆき乃は、お前のこと。」
苦笑いで頭を下げる夏喜は、それでも反省はしているようで。私の心を見透かすサワの言葉に夏喜が八重歯を見せて笑った。そういうのちょっとキュンとする。顔がいいんだからいつも笑っていればいいのに…って思ってしまう。
間もなく夏本番。
できるのなら、嘉くんと2人で花火大会に行きたい。
――――できるのなら。
そんな事を思っていたから?だろうか。ポケットのスマホがLINEの着信を知らせて。
【ゆき乃、鞄教室に置いたままだけど、届けようか?】
嘉くんからのメッセージに頬が緩んだ。
そうだ、私ってば出て行ってそのままバイクに乗ったもんだから、すっかり荷物忘れてた。
そのまま通話ボタンを押すと、【もしもし?】すぐに嘉くんの声と繋がった。
いつもより低い声にちょっとだけドキッとしたなんて。