「げ。え、待ってよ、嘘でしょ!!」
社内Cafeのいつもの場所でいつものメンバーで仲良くランチ。
目の前には後輩のネコ。隣には新社の堀夏喜。ちょっと異様に見えてもこれが私のいつものメンバーだった。
大好物のボロネーゼにパルメザンチーズを大量にかけていると、LINEにメッセージが入ってそこに目を落とす。
【ゆき乃ちゃん、俺たち友達の方が合うと思うの。ごめんね!!】
爽やかなその文字だけれど、完全なる失恋。
今度こそうまくいってやる!!そう思っていたのに。
思いっきりモチベーションが下がった。
小さく溜息をつく私に「え?またフラれたの?」ネコがスマホを覗き込む。隣のなっちゃんも顔を寄せて画面に視線を落とす。
「…最速。だって昨日は楽しかったのに。」
ただ一つを除けば。
そんな言葉はあえて呑み込む。ここに居る二人は私の秘密を知らないから。
「なんでフラれるんだろねー?こんな可愛いのにね、ゆき乃さん。」
ポスって慰めているのかなっちゃんの大きな手が優しく私の頭を撫でてくれる。
私たちの間に流れているのは恋でも愛でもなく、そう、友情。
「ゆき乃先輩無理やり押し倒した?」
「そんな事するか!!むしろあっちが、」
しまった!と、言葉を止める。だけどネコはハンターみたいな目で私を見ていて。なんならなっちゃんまでシレっとネコと同じように私の言葉を待っている、ように見える。
なによぅ、二人とも。
「…最初のデートでキス以上する人とか、ないの、私の中で。」
胸にそっと手を置いてそう言うと、ネコが目を大きく見開いたなんて。
「もしかして、それが原因?ゆき乃先輩の男が続かないのって。」
「…そうよ。軽く見えても軽くないんだから私。」
パルメザンチーズを置いてパスタをフォークに巻き付けるとそれをパクリと口に入れた。
デート一日目で最後までいこうとする男は毎回拒否ってきた。
例えそれでフラれようと。
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