なっちゃん宅の前で着いた事をLINEで伝えるとすぐにガチャっと鍵が開いた。
こちら側からドアを開けると、「え、」上裸で肩にタオルをかけたなっちゃんが「おかえり。」なんて出迎えてくれた。
なんだ、なんだ。その格好。
見るもシャワー後にしか思えなくて。
黒髪の先からは、ポタポタと雫が垂れている。
だから洗面所に行って新しいバスタオルを取ると、「風邪、治ってないのにシャワーなんて浴びちゃダメでしょ!拭いてあげるからここ座って。」なっちゃんの背中を押して奥のソファーに腰掛けた私は開いた足の間に大きななっちゃんを挟んだ。
「母さんみてぇ。」
なんて笑いながらも素直に言うことを聞くなっちゃんの上裸姿に一瞬ドキッとしたのは絶対に内緒にしておこうと思った。
「熱は下がったの?」
「んー。測ってない。」
「測ってないのにシャワー浴びたの!?」
「だって散々汗かいたもん。ゆき乃さん来るなら汗臭いとか嫌だし。」
キョトンとしてなっちゃんを見下ろす。
なんか今すごい事言った?
若干引っかかったものの、不意に樹の顔が浮かんであえて聞き流した。
ある訳ない、今更なっちゃんと何か…なんて。
あるならもうとっくにどうにかなってるよね。
そう思うとなっちゃんのする事全部を冗談で受け止められるような気がしたんだ。
「なっちゃんのママみたいに私は甘くないよ!これで熱があがったら自業自得だからね!別にちょっと臭くても嫌いになんてなったりしないわよ、今更!」
後ろからなっちゃんの肩に手を着いて顔を覗き込む私を、なっちゃんは身体をズラして見つめるも、ほんの一瞬息を飲んだように見えた。
でもそれは本当に一瞬の出来事で、見逃せるほど。
「もういい。後は自分でやる。」
何故か不機嫌で私の手からバスタオルを奪うと、ドライヤーを手にして乾かし始めた。
な、なんだあ?
今日は塩夏!?
よく分からん…なんて思いつつ立ち上がってお粥を作りにかかった。
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