ACT.2*二人とも、好き
「可愛いよ、ゆき乃。」
頬にかかる前髪をやんわりと撫でながらキスを繰り返す。
なっちゃんの背中に腕を回すとゴキュっとキスの途中でなっちゃんが唾を飲み込んだ。
「耳、舐めて、」
もうこうなったらなんでもいいやって、してもらいたい事を口に出すと、なっちゃんが甘く吐息を漏らしながら首筋をレロっと舐めてから耳を口に含んだ。
「アアンッ、きもちっ、」
目を閉じてなっちゃんに抱きつくと「え、」聞こえた声に横を向くと、パッチリ目を見開いた勇征と目があった。
「なにしてんの、なっちゃん!!」
ガバッて勇征が肘を着いて耳を舐めているなっちゃんの腕を引っ張った。
「起きちゃった?早いなぁ。もっと寝てていいのに。」
口元を手の甲で擦るなっちゃんは冷めた目で勇征に視線を移す。
お酒で赤くなった勇征の顔はちょっと怒っていて。
「俺がゆき乃の事好きなの知ってて手出したの!?お前最低だな、」
いつも温厚な勇征がすごい剣幕でなっちゃんを睨んでいる。
お酒も入っているせいか、なっちゃんの解答次第ではぶん殴りそう。
筋トレ好きな勇征のパンチはしこたま痛そう、これはいかん!
咄嗟にそう思って私は勇征のその分厚い胸板にギュッと抱きついた。
途端にシューって機関車が煙を出すみたいに勇征の怒りが消える。
その手は無意識でなのか、私の腰に添えられていて…
「怒らないで。酔ってるけど、人はちゃんと選んでるよ、私。勇征が私の事好きなのも知ってるのにごめんね。…ね、一緒にしよ?イヤ?」
顔を上げて揺れる瞳の勇征のすべすべな頬に手を添えるとゴクリと生唾を飲み込んだ。
勇征の薄い唇を指でなぞると勇征がカッと目を見開いた。
「…ゆき乃、」
それでも複雑そうな顔で私を見つめる勇征の唇にそっと自分のを重ねた。
左手を着いて身体を支える勇征にラッコ座りに跨ると私は抱きつきながら勇征の舌をチュルリと吸い上げた。
後ろではなっちゃんがテーブルを移動させて場所を広げている気配がして、ベッド上から掛け布団を持ってくると下に引いた。
ガサッて勉強机の引き出しから何かを取り出す音がしてキスをしながらそちらに視線を向けるとコンドームをカサカサ振って笑うなっちゃんがいたなんて。