「おめでとうございます!」
大喝采の中、八木勇征と手を繋いで戻ってきた。てかこの手、いつまで繋いでていいの?チラっと八木勇征を見ると同じように私を見て、バチッと目が合った。
「あ、あのさ、」
「えっ!?うん。」
「ノリで言ったわけじゃないから。俺ほんとにユヅキちゃんの事、好き…だよ。」
耳まで真っ赤な八木勇征。センター分けの黒髪がサラサラと風に揺れていてかっこいい。ここ青組の陣地に黄色のハチマキをした八木勇征は少しばかり目立っていて。私はその黄色いハチマキを引っ張った。
「八木勇征、これ私に貸して。」
「…え?ハチマキ?」
「うん。代わりにこっち、持ってて。」
自分の青色のハチマキを首に掛けてあげる。
「交換?」
「うん。ハチマキ交換して、キスしたカップルは末永く一緒にいられるってジンクス。」
「そうなの?」
「うん。…キス、する?どーする?」
「…す、する。」
八木勇征の腕を引っ張って、校舎のある方へと行く。誰もいない下駄箱で、私が八木勇征を誘ったここでトンと背をつくと、無言で顔を寄せる八木勇征の首にそっと腕を回した。
…ちゅ、って小さなリップ音と離れた唇。チラリと下駄箱の入口を見てまだ誰もいないのを確認すると、「もっとしてもいい?」って八木勇征の甘い声。「ん、して。」首にかけた腕でほんのり引き寄せてまた唇を重ねた。
数回繰り返した後「緊張するね。」って笑うから、「嘘だよ、そんなジンクス。キスしたかったの、怒った?」目をまんまるく見開いた八木勇征は左右に首を振ると「めちゃくちゃ嬉しい!」そう言って、遠慮がちだったキスが色付いた。
せっかくだからこれからのジンクスにしちゃおっか、ね?
*END*