星の観測1

部活が終わって一息ついたわたしは部室の戸締りをして外に出る。

今夜もピンク色の空がゆっくりと闇にのまれていく…

部室棟の脇を抜けて駐輪場に向かうさなか、パシャパシャと涼しげな水しぶきの音。

あれ?水部って確か今大会だよね?だ、誰…!?

急に得体のしれない寒気がして。こういうのって本当は見ない方がいいんだろうけど、何故か気になってわたしはそっと水部のいないはずのプールを盗み見た。

やっぱり誰かが泳いでいて…


「誰よ、」


軽く胸騒ぎを抱えつつ、プールサイドに立って水面を覗いたんだ。

…あ、なんだ。

ホっとして持っていた荷物をそこに置いた。

なんとなくそのまま帰らずそれを眺めていると、不意に水面から顔を出してこっちを見た。


「え、ユヅキ先輩!?」
「こらー。水部がいないからって!」


わたしの言葉に「やべ、」って顔を歪ませた後、「すいません。」素直に謝った。

濡れた髪がペタンとオデコにくっついていて、ちょっとブスになってる勇征が可愛くてニッコリ微笑むと、照れたように俯いた。



「ユヅキ、先輩も一緒にどう、ですか?」
「…え?わたし、も?」
「はい!一緒に泳ぎませんか?めっちゃ気持ちいいですよ!」
「いやでも水着も替えも持ってないし、」
「じゃあ足だけ!ね?」


そう笑ってプールサイドにあがってきた勇征は、なんていうか目のやり場に困る。

運動部だからって事でもないんだろうけど、我がサッカー部の奴らはみんなストイックに身体を鍛えていて。

勇征がこんなすごい腹筋だったなんて知らなかった…。いやよく脱いではいたけど、まじまじと見たことなんてなくって…だからなんていうか…――無駄に緊張するんだけど。