その答えは*1

お昼休みにしていた会話をふと思い出した。

―――だいたいの男はこっちからキスしたらスイッチ入ってその先を我慢できなくなるよねぇ!―――


剣道部が終わるのを待っていると、ふとそんな言葉が頭に浮かんだ。

視線の先は一年生ながら三年とやりあっている彼、中島颯太くん。

幼馴染で私の恋人。高三年の私の年下彼氏だった。

颯太くんが高校入学してすぐに告白されて今に至る。

夏前の梅雨のジメジメした空気が重ったるく、今日もまた雨が降りそうだった。

今にも泣き出しそうな空を見つめて颯太くんとのキスを思い浮かべる。

基本的に興味のないことには一切無関心の颯太くん。

とはいえ、颯太くんだって健全な高校男児であって、興味が無いわけないよね?

キスだって普通にするし、えっちだってぶっちゃけしてる。

颯太くんは私のすること全部を受け止めてくれると思うんだけど、どうなんだろ?

エッチ無しでもキスはするけど、さすがに私からキスしたからって別にスイッチなんて入らないだろうなぁーなんて頭ん中で妄想を繰り広げていた。

部活に所属していない私は毎日彼の練習が終わるのを待って一緒に帰るのが日課である。





「なんか、上の空じゃなかった?考え事でもしてたん?」


…鋭いな、相変わらず。

てか颯太くんのこと結構離れた場所から見てたのに、颯太くんは練習しつつ私のこともちゃんと見ててくれたのかなぁ?なんて思うとちょっと恥ずかしい。

部室で颯太くんが着替えるのを背を向けて待っている私に、後ろから颯太くんがそう発したんだ。


「え?そんなこと、」


くるりと肩に手を置いて横から顔を覗き込む颯太くんは、着替え途中で上半身は何も着ていない。

なんとなく視線の起き所が分からなくて目を泳がせた。


「そんなこと、あるやろ。俺を誰やと思っとるん?ほら、何考えてたか言うてみ。」


そのまま真横にストンと座る颯太くんから、汗の匂いが微かに鼻を掠めた。