「じゃあ、言うっていうかするけど、引かないでね?」
ゴクリと生唾を飲み込んで隣に座る颯太くんを見つめる。
瞬き一つしないで私を見つめる颯太くんの肩に手を置くと、そのまま私は颯太くんの方に身体を寄せて顔を近づけた。
「え、ユヅキ?」
「ダメ、黙って。」
私の言葉に口を閉ざした颯太くんの唇にちゅ、と小さくキスをした。
放心状態の颯太くんは目を開けっ放しで私のキスを受けている。
でも、次の瞬間颯太くんの指が私の指に絡まって高揚した顔で私の手首をグッと掴んだんだ。
あ、あれ?
まだこれからなんだけど。
チラリと視線を向けると真剣に私を見つめている颯太くん。
その瞳のずっと奥が揺れている…
「なんやそれ、ずるいやん。」
そんな一言と同時、颯太くんからの噛み付くみたいなキスに心臓がキュンと掴まれたように疼いたんだ。
私の後頭部に手を回して距離を近づける颯太くんのキスは唇をハムって甘噛みする。
半目を開けたら颯太くんと目が合った。
「え、颯太くん目開けてんの?」
「おん。だってユヅキが俺とキスしとる顔なんて貴重やろ。もうええから続きさせて、」
ちょっと掠れた颯太くんの声。
こういう時に、声が掠れるのってちょっとズルいよね。
ド至近距離で私の顔を見つめる颯太くんは、そっと瞳を伏せて唇をムンっと重ねた。
まさかのキス顔を颯太くんに見られていた事が今更ながらめちゃくちゃ恥ずかしいけれど、私だって颯太くんのキス顔見たい…
薄ら目を開けるとやっぱり颯太くんと目が合った。
それでもキスを続ける颯太くんは、半開きの口から舌をニュルリと入れ込んだ。