結局、有名なお菓子を持ってITSUKIの事務所に顔を出した。
謝る、しかできそうにないものの、何もしないよりかはマシかなと思って。
「申し訳ありません。ITSUKIのスケジュール調整ができませんので、今回の件はなかった事で。どうぞお引き取り下さい。」
マネージャーさんにそう言われて内心大きくため息をつく。まぁそだよね。言っちゃえば出禁、だもんね私。
「分かりました。あのITSUKIさんに直接言えそうもないので、申し訳ありませんとお伝えください。」
お菓子をデスクに置いて深々と頭を下げる。フロアを出てエレベーターホールの前でボタンを押して待っていたんだ。
ポーンと開いたそこ、目の前に赤い髪のHOKUTOが立っていて。
「あれ?確かITSUKIの、」
まさかのHOKUTOから声がかかって苦笑い。説明も何もできたもんじゃないんだけれど、
「断ったんだって?すごい度胸!俺は気に入った。なに?モデル探してんの?」
「…はい。ITSUKIさんには顔見せんなって言われてしまって。」
「ぶっ、あははは、マジか!まぁそりゃプライドずたボロだもんなぁ、ITSUKI。俺が出てあげようか?」
「…え?」
「ただし、条件がある!」
そこまで言うとHOKUTOは私の腕を引いてエレベーターの中、二人きり。ドンて壁に手をつかれる。ふわりと香水なのか甘ったるいいい匂いに包まれて…
「俺をキスで満足させられたらね。」
そう言うが、予告も無しにHOKUTOの手が私の顎を押さえつけて唇がムチュって重なった―――