健太の企み


「雪乃、ちょっと買い物付き合って!」
「…へ?買い物、ですか?」
「そう。明日ジュエリー側のパーティーがあるから一緒に行くぞ。」
「…わ、か、りました。」


とは言ったものの、あまりに値札のゼロが多すぎてどれもこれも手をつけられない。大型デパートに連れてこられて、もう5着目。いったい健太はどんな格好をさせたいんだろうか?

試着室で背中の大きくあいたドレスを着て小さく溜息。このままでいいとは思っていない。健太だって気分で女を変えるし。今は私に飽きてないのかもしれないけど、いつどのタイミングで飽きて捨てられるか分からない。

住む世界が違うから勿論結婚なんて考えてないだろうし。


「雪乃まだー?」
「あ、もう大丈夫!」
「あけるよ?」
「うん。」


ちょっとフライング気味に試着室のドアをガチャっとあけるとズカズカと中に入ってくる健太。私の肩を掴んでくるりと一周させると「これにする。」げ、これ嫌。こんな体の線が出てるのお断り!って思うけど、言ったところで聞く訳もなく、仕方なく健太の支払いがすむのを待っていた。


「よし次。」
「え、次?」
「当然。今日は雪乃をとことん綺麗にするから。」


…さっぱりよく分からない健太の思考。それを理解したのはパーティーに行ってからになるわけで。


その日私は1日かけてエステ、ヘッドスパ、ネイル…とことんメンテナンスをうけた。そのまま健太の部屋に行って存分に抱かれた。

翌日のパーティーでまさか黎弥と再会するなんて思いもしない。