「翔ちゃん、勝手に莉子連れて行かないでよ、今話してたのに。」
「中で話せばええやん。風邪引いたらどないすんねん、莉子が。」
こいつ、莉子のことしか考えてないじゃねぇか。イラっとして翔ちゃんを睨みつけると、もっとすごい眼力で睨み返されてヨタつく。だけど、トンって後ろに北人がいて、「なんの相談?俺にも聞かせてよ。」…分かってて言ってる、北人!だから莉子が北人の言葉に「北ちゃん、ドエス!」そう言うと北人がケラケラ笑う。
「ふぅん、北人のこと?相談って。」
ポンとわたしの肩に手を乗せる壱馬に苦笑い。どいつもこいつも、腹立つ!小さく息を吐き出すとわたしは「保健室行ってくる。」壱馬の腕を払い除けて、気まずそうな莉子に軽く手を合わせるとそのまま教室を出た。
「先生、頭痛い。」
ガラッと開けると保健室の先生はいなくて、「あ、慎。」ベッドの上でまさに寝ようとしている慎がそこにいた。
「ゆき乃先輩!風邪っすか?」
「…慎こそ、サボり?」
「昨日寝不足で。莉子先輩と電話してたから!」
スマホを片手に嬉しそうに笑う慎の待ち受けは、一緒に撮ったプリクラだった。莉子の隣でキメ顔してる慎は純粋にかっこいいい。莉子と仲の良いわたしは、そんな慎の莉子愛を嫌という程耳にしてきた。
だからわたしが入る隙もないし、入る気もない。
「よくそんな話すことあるわね。」
「いくらでもありますよ。てか、ゆき乃先輩こそ、バレンタイン頑張れば?」
…誰に、よ?慎はスマホを見てニヤつきながらも次の瞬間こちらに視線を向ける。