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リーダーチェンジ万事屋



「………」

「………」

「………」

いつもの万事屋。しかし部屋はシンと静まり返っていた。くだらない会話もなければ、馬鹿騒ぎもない。しようとすらしない。いや、しようとするのが怖い。
何せいつも銀時が座っている椅子には今、煙管を吹く男が座っている。チラリとこっちを見たその男に勢いよく背を向け、新八と神楽は肩を組んで小声で叫んだ。

「ちょ、何この重たい空気。ど、どうすればいいの?僕、高杉さんと話したことないよ!」

「私だってないアルヨ!紅桜の時はアレ、初対面で傘突きつけたネ!」

脅迫でしょそれ!と叫ぶ新八。すると電話が鳴った。

「電話鳴ってるアル」

「……俺が出んのか」

「当たり前ネ!当主の晋ちゃんが出るアル!」

「誰が晋ちゃんだ。生憎だが俺ァ銀時とは違、」

「いいからさっさと出ろヨ。それとも自分から仕事無くす気アルカ?」

「神楽ちゃんんん!す、すみません高杉さん!」

僕が出ますね、と電話までダッシュする新八。
しかしそれを高杉が止めた。

「……いや、いい」

え?と立ち止まると、高杉が電話を取り依頼を聞く。あそこまで言われてはやはり電話を取らないわけにはいかないと思ったのだろうか。どうやら高杉も銀時と同じで負けず嫌いらしい。もっとも、高杉の方が冷静だが。
電話を終えたらしい高杉が、受話器を置いて立ち上がる。

「……行くぜ」

「よっしゃ!やっと金が手に入るネ!」

「あの、依頼内容は何ですか?」

「屋根がどこぞのチンピラ警察に壊されたんだと」

「それ、どこぞじゃないですよね。真選組のことですよね!」

「まァとにかく屋根の修理だ。オイ眼鏡、工具持ってこい」

「新八です!」

「それから……チビ」

「誰がチビだコラァ!お前だって銀ちゃんに比べたらチビアル!」

「あァ?アイツと比べんじゃねェ」

「わーわー!は、早く依頼人のとこに行きましょう!」

火花を散らす二人に、新八が間に入る。
何とかおさまったところでふうと息を吐き、万事屋を後にした。



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