君にしか甘えられないんだ (2/8)
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仕事はまた新たな新商品の販売の為に色々と大変で今度はある有名ブランドとのコラボ商品を製作していた。
私もそれに
だから本当に無我夢中で仕事をしていて─ふと時間が気になり部署内の壁にかけてある時計に目をやると時刻は…
14時10分前を指していた。
すると、その直後に──。
「美和、そろそろお昼行かない?」
そう声が掛けられて声のした方に目を向けるとそこにいたのは同僚の香奈の姿だった。
「香奈もお昼まだだったの?」
「まあね。私もなかなか書類作成が終わらなくてさ…。」
「そっか。大変だね…お互い!」
「本当だよ。でも、私より今は美和の方が仕事量は多いでしょ。」
「そうかも。今回はブランドとコラボだからね。」
「そうでしょ。それよりお昼、行ける?」
「うん、大丈夫。」
香奈とそんな会話をしてから仕事を一旦中断して香奈と共に少し遅めの昼食に向かった。
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香奈とは昼食を取りながら色んな会話をする。
ある上司の悪口だったりとか恋愛の話だったりとか──今はお互い彼氏はいないから恋愛話といっても鷹が知れているけれど。
「…あ、ねぇ、美和。」
「ん?」
突然、香奈が思い出したように口を開いた。
「夜さ、仕事終わったら久々に飲みに行かない?」
そんなお誘いを受けた。
香奈からの飲みのお誘いはかなり捨て難い。
だけど、私には今気になる人物がいる。
それは、勿論幼馴染みの湊の存在である。
そう考え、ふと湊のバイト日程を思い出した。
──確か湊がバイトで夜遅いのって…
"火、木、金、日" って言ってたっけ。
「…今日何曜日?」
「へ?水曜日だけど…。」
湊のバイト曜日を考えていて思わず口に出して香奈に本日の曜日を確認していた。
そして、不思議そうにしながらも香奈から聞かされた曜日に私は肩を落とした。
「え?なに?」
私の返事を待ってくれている香奈は私の行動を凝視しながらまたもや不思議そうにそう尋ねてきた。
「…ごめん。行けないや…飲みに。」
「え?なんで?」
「湊がバイト休みの日なの。」
「え? "湊" って…幼馴染みだって言ってたあの湊君?」
「そう。湊、炊事全くできないから。」
「…そっか。湊君いるなら無理だね。また今度にしよ。」
「うん、ごめんね…」
「気にしないで。」
ちなみに香奈には湊が家出してきて私のアパートに同居していることは話してある。
本当に湊が来てから私の生活が変わってしまった。
前までは1人だったから香奈と毎日でも飲みに行けたのに今はほとんど飲みに行けなくなってしまったのだ。
でも、生活が変わってしまったとは思っているものの湊を追い出そうとは決して思っていないのも事実。
何故なら私にとって湊は可愛い弟のような存在だから。
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