君にしか甘えられないんだ (8/8)






「私の前では甘えたなのに……他の女の子の前では "クール" って聞いたから "どっちが素の湊なんだろう" って気になったの!」
「ふ〜〜ん。」



そう返事をすると湊は食べ終えたのか── "ごちそうさま" というとグラスに注いである麦茶を飲み始めた。



「…そういえば、湊がここに同居する前に "彼女いない" って言ってたよね?」
「うん、いないよ。彼女。」
「いつからいないの?」
「…2年になってからは、ずっといないけど…。」



湊が彼女いない歴を聞いて私は驚愕きょうがくした。


今、湊は大学3年生で "2年生なってから" ってことは1年以上もいないってことになるのだ。



「え?そんなに?なんで?」
「……美和ちゃん。」
「え?なに?」
「どうしたの?なんで今日はそんなに質問ばっかりなの?」
「え、えっと、なんでだろ…?」



湊にそう聞かれてしまって自分でも驚愕きょうがくしてしまった。


──どうして、私は湊の女関係にこんなにも気になっているのだろうか。



「美和ちゃんがわからないなら俺にもわからないよ。」
「だ、だよね〜。」
「変な美和ちゃん。…俺、お風呂入って来る!」


そう言うと湊は椅子から立ち上がり空になった食器をシンクに置くとそのままお風呂場へと向かって行った。




──そして、私はリビングで1人になってからも考える。


本当に今日の私は変だ。


湊が私の前では "素" って聞いた時も "嬉しい" なんて思ってしまったし湊に彼女いないのが何故なのかも気になっている。



湊とはただの幼馴染みという関係で…湊に彼女がいようがいまいが私には関係ないはずなのに──。


どうしてなんだろう。

湊に彼女がいないことが気になって……
仕方ないのは──。





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