高校生活二度目の春――。
父親が突然、進学の話を進めてきた。
私の父親は大手企業 "
欲しい物も執事を通して父親に言えば何でも簡単に手に入った。
子供の頃はそれが本当に嬉しくて自慢ばかりしていた。
だけど、中学校に入る頃からそれが嫌になったんだ。
極一般の私立中学校に入学して周りの目を気にするようになった。
小学校の頃とは違う冷たい視線に今まで何も不自由なく暮らしてた自分が嫌になった。
父親の力がなきゃ何もできないような人間にはなりたくないと思うようにもなった。
私にはお金も地位も名誉も関係ない。