No.1な彼

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【Side:亜季】

麻弥は私だけに聞こえる声音で "行くね。" と伝えると足早に歩き出してしまった。
そんな麻弥の後を佐倉が追いかけようとした。

「あ!麻弥ちゃん、待って!」

そう叫ぶような声音で歩き出そうとした佐倉に私は声をかける。

「佐倉!やめときな。」
「え?なんで?」

私が呼び止めると佐倉は不思議そうに返事をしながら私のほうに振り返ってきた。

――今の言葉でわかんないなんて…コイツ案外、にぶいのか?
だから麻弥の気持ちもわからないのか?

そんなことを心の中で呟きながら不思議そうな佐倉に再度言葉を投げかけた。

「ついて行ったら麻弥が怒るでしょ。それにしつこい男は嫌われるよ。」

私がそう言葉にすると佐倉は固まってしまった。
そして、そのすぐ後に悲しそうな顔をしてから項垂うなだれた。

「…そっか。わかった。今日は諦めて帰るよ…。」

佐倉はそう小声で呟くとゆっくりときびすを返して昇降口のほうへと向かって行った。

私は……。

――ちょっと言い過ぎたかな?
と、思いつつも……。
佐倉が麻弥の気持ちを気付かない限りはどうにもできない――。

そんなことも思ってしまったのだった。


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