――午前4時。
「あ、ヒロさん。お疲れ様です。」
「…おう。」
お店の閉店後―一番にそう声を掛けてきたのはミナトだった。
俺は帰宅準備をしながら短く返事を返した。
「…ヒロさんって相変わらず仕事以外では冷たいですよね。」
「……これが素だからな。」
俺は元々そこまで誰かと楽しく会話とかするタイプではない。
別に無口ってわけではないが、そこまで仲良くない相手となれば大抵こんな感じだ。
「…俺、ヒロさんともっと仲良くしたいっす!」
「…は?」
ミナトの突然の言葉に理解できなかった。
「…ダメっすか?」
ダメとか聞かれても…まずは理由が聞きたい。
俺は仕事仲間とそこまで深く関わるつもりは最初から考えていなかった。
「……俺は仕事仲間と深く関わりたくない。」
「え?なんでですか?」
その台詞は俺がミナトに聞きたいくらいだけど、その言葉はミナトには敢えて言わないでおく。
――というかミナトは最初からこんな調子だった。
最初から何故か俺になついてきて…それが俺には理解できなかった。
「……帰るわ。お疲れ!」
ミナトの"なんでですか?"って言葉を無視して俺は事務所から出て自宅へ向かった。
