記憶と約束

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――ある日の放課後。


読書中の本がもう少しで読み終える─というところまで来ていたので新しい本でも買いに行こうと本屋に向かっている時だった。

本屋に向かう途中で偶然にも麻弥ちゃんの姿を見つけてしまった。

麻弥ちゃんとはあれ以来少し気まずくなってはいるけれど、偶然にも麻弥ちゃんに会えたことが嬉しかった僕は麻弥ちゃんと少しでも会話をしたくて追いかけて声を掛けようとした――。
けれど、それは後数メートル前で叶うことはなく僕の足は止まってしまった。

何故なら麻弥ちゃんは僕の知らない男の人と会っていたから――。
しかも僕とは真反対の容姿端麗で高身長の大人の男の人だった。


そんな大人の男性の隣にいる麻弥ちゃんも僕が見たことのない柔らかい表情で会話をしていて何だかとても麻弥ちゃんが遠く感じてしまった。
それでも麻弥ちゃんと男性の関係も気になってしまって…気付いたら僕は二人の後を追い掛けるように尾行していた。


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二人の後を追い掛けてからどれくらいの時間が経ったのかわからないけれど、案の定僕はまた二人を見失ってしまったし自分が今どこにいるのかもわからなかった。
そこまで方向音痴ではないはずだけれど、訪れたことのない場所はやはり誰しもわからないものだと思う。

――麻弥ちゃんとあの男性は一体どこに行ってしまったのだろう。

そう思いながらやっぱり僕には "尾行" なんて慣れてないことはするものじゃないと諦めてせめて来た道を引き返そうときびすを返した時だった。


「…おい、待てよ。」

突然、低めの男性の声が聞こえて驚愕きょうがくしながらも声のした方に目を向けるとそこには…。
麻弥ちゃんと一緒にいたあの大人の男性が立っていた。

「……。」

近くで見てもやはり僕とは正反対の容姿端麗で高身長の大人の男性だった。

「…お前ずっと俺達の後ついて来てたけど…何か用でもあるのか?」


僕が "尾行" してしまったことには麻弥ちゃんの時のように気付かれてしまっていたようで…やっぱり僕は "慣れないことはするものじゃない" と後悔した。


「…あ、あの、麻弥ちゃんを探してて……す、すみません。」


"尾行" なんてまた麻弥ちゃんに怒られるようなことをしてしまったしただでさえ麻弥ちゃんにはフラれてしまったのにこれ以上は嫌われたくない。

――そう思い、何故か麻弥ちゃんの知り合いらしい男性に謝罪していた。


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