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【Side:愁】


2時間程あったバラエティーの生放送が終わった。

これから楽屋に向かってこの後仕事はないから
家に真っ直ぐ帰宅しようと思っていた矢先のことだった。


水神みずかみ君!」

突然そう苗字を呼ばれて背後を振り返るとそこにいたのは…。

今度一緒にドラマで共演する女優だった。


──名前…何やっけな? 忘れてしもうた…。


心の中でそう呟きながらも渋々返事をした。


「…なに?」
「この後、暇なら食事でもどうかなって…。」


この間の撮影の時もこの女優から食事に誘われた。

だけど、俺は断っていた。
何故なら今の俺には "彼女" 以外の女は興味ないから。


「…愁?」


女優から食事に誘われた直後、俺のマネージャーの仲本 透子なかもと とうこがやって来て俺と女優の姿を見て不思議そうな表情をしていた。

そして、俺は……。


「…悪いけど、俺は今可愛い可愛い猫の相手で手いっぱいなんよ。だからアンタと食事に行くほど暇やないねん。…そういうわけやからまた撮影でな!」


俺はそれだけを言葉にすると透子に "行くで。" と、促して楽屋の方へきびすを返した。

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