暫くして楽屋に着いて俺は帰宅準備を始めた。
「愁、あの女優の誘い断ってよかったの?」
唐突に透子がそんなことを問い質してきた。
俺が "何で女優の誘いを断ったか。"
──なんて……。
理由を知っていて聞くのだから透子は
「…良いもなにも…俺は元々あの女優に興味ないねん!」
「あらそう。…でも、不思議なもんよね〜!あれだけ女にとっかえひっかえだった愁が今は1人の女の子に夢中なんて〜!」
透子のそんな言葉には反論する言葉は見つからなかった。
何故なら確かに今の彼女に会うまで俺は結構な数の女と付き合っていたから。
だけど、どの女とも結局は長続きしなかった。
──というか今まで付き合った女は皆、俺の容姿が目当てで告白も相手からばかりで "付き合ってほしい。" なんて言葉にしたことは一度もなかった。
「…なんかその言い方腹立つなぁ!」
「だって本当のことでしょ。」
「まあそうやけど…。」
「ところで私、
「はあ?なんやねん急に。」
またもや突然の透子の言葉に俺は叫ばずにはいられなかった。
因みに "芽依" とは俺の今の "彼女" で同棲もしていて─芽依は一般人だし秘密の関係なのだ。
「芽依ちゃんに渡す物があるのよね〜!」
「そんなん俺から渡しとくし。」
俺がそう言葉にすると、透子は睨まれてしまってすぐに反論の言葉を投げ掛けてきた。
「芽依ちゃんに直接会って渡したいの!だからアンタなんかに託すなんて絶対嫌よ!」
何故かそう断固拒否されてしまった。
まあ別に芽依に会わすのは全然いいんだけど。
透子は性格もサバサバしていて俺のどんな言葉にも何かと反論してくるから困る。
それに透子に逆らうと後でどうなるかわからないから俺は渋々芽依と会わすことを許可した。
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