もちろん彼の出演する舞台にも何度も見に行ったことだってあるし…。

私は本物の水神 愁みずかみ しゅうを瞳に焼き付けるだけで充分で満足もしていた。


「わ、私は…。そんなことしませんっ!てゆうかできないです!」
「まあ普通はそうやんな。その子達は熱狂的すぎるんやな。」
「…そ、そうですよ!」


私だってかなり熱狂的だとは自分でも思っているけれど、上には上がいるものなんだ。

だから私より熱狂的なファンはいくらでもいると思うし…。

水神 愁みずかみ しゅうのことを本当に "恋人" みたいに愛してるってファンもたくさんいると思う。


「ところで君の名前は?」
「…え?え、え、えっと…。牧村まきむら芽依めいです!」
「…芽依か…。俺、芽依のこと気に入ったわ♪」


水神 愁みずかみ しゅうさんはそう言うとテレビで見るよりも満面の笑顔を見せてくれた。

そして、突然ズボンのポケットから財布とボールペンを取り出してその中にあったレシート1枚に何かを書き始めた。


私はそんな水神 愁みずかみ しゅうさんの笑顔に見惚れてしまって胸の鼓動が大きく高鳴っていくのを感じていた。


──やっぱり水神 愁みずかみ しゅうは最高にかっこいい。

そう思った。



「……これ、俺の番号とメールアドレスやから。……って、あ!別に誰にでも渡してるわけちゃうからな!相手から聞かれることはようあるけど、俺からは渡したことないし。」
「……え、あの…。」
「…あ、ごめん。なんかナンパみたいやな。」
「い、いえ、そうじゃなくて……。私なんかが連絡先なんて聞いていいのかなって…。」


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