心配事【廉視点】
──それは俺がサークルに入って1ヶ月経った頃。
もちろん、陽菜がその時間にはいることを知ってのことでテニスコートの扉を開け辺りを少し見渡して他の部員がまだ来ていないことを確認してから──。
「…あれ?
案の定、陽菜は俺が早く来たのに少し驚きながらも冷静さを装ったまま俺の質問に答えてくれた。
「…まだ誰も来てないよ。」
陽菜は俺のことなんて一切見てくれなかった。
──だから確信したんだ。
先輩が言っていた事は嘘なんかじゃないって。
もちろんその先輩を信じていなかったわけじゃないけれど。
でも、それが事実なら確かめてみたい。
俺はそんな好奇心が芽生えて陽菜の方に近付きながら。
「…へぇ〜。じゃあ今は俺と
そう軽い口調で言い放った。
すると、陽菜は案の定困惑したような表情で俺を
だけど、それはほんの一瞬でまた視線を元の位置に戻してしまった。
俺はそんな陽菜が可愛く見えて陽菜にバレないように苦笑して再度言葉を紡いだ。
「…そういえば…
俺がそんな質問をすると陽菜は
「……本当よ。子供の頃から男の人に触られると
そう答えてくれた。
だけど、陽菜がそう答えた直後には俺はもう陽菜との距離を縮めていて本当に好奇心から陽菜の左腕を掴んでいたんだ──。
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