心配事【廉視点】




陽菜は驚愕きょうがくの表情をしてから "蕁麻疹じんましんが出る。" と悟ったのか、まぶたを強く閉じてしまった。


だけど───。



「…蕁麻疹じんましん…出てないじゃん。」
「…え?」



俺の言葉に陽菜は間抜けな返事をして閉じていた瞼を開いた。


そう、何故か俺が触れても "蕁麻疹じんましん" というのが現れていなかったんだ。


さすがにこれには陽菜本人も驚いたのか──。



「…どうして…」


俺に掴まれている腕を目を見開いて凝視ぎょうししながらそう呟いていた。



「俺だけには出ないってことなのかな?」




先輩から聞いてた話とは違った事実に何だか─俺だけが、"陽菜の特別" に思えて嬉しくなってそう呟いてしまった。







──そして、この瞬間から俺は陽菜に惹かれ始めていたんだ。

まあ惹かれた理由は他にも幾つかあるんだけど。




その後も男が少しでも陽菜にぶつかると、陽菜の体は "蕁麻疹じんましん" が湧き出ていて陽菜に触れるのは "俺だけ" なんだって。


益々陽菜が気になる存在になっていった──。

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