心配事【廉視点】




そして、そんな俺の言葉に陽菜はこの後の俺が言おうとしていることがわかったのか──。


れん、言わなくていいよ。」


そう言いながら俺を見上げてきたけれど、俺はそんな陽菜を無視して陽菜の体のことを打ち明けた。



「陽菜は俺以外の男には触れられない体質なんだよ。」
「は?」
「廉!」


俺の言葉に男は理解できなかったのか間抜けな声を発して陽菜は慌てた様子で俺の名前を呼んだ。


「本当のことだろ。さっきだってコイツに触れられて…蕁麻疹じんましん出たんだろ?」
「う、うん…」
「じゃあ別にいいじゃん。陽菜は俺だけに触れてればいいんだよ。」
「廉…」


俺の言葉に陽菜は嬉しかったのか名前を呼ぶと同時に俺に抱きついてきた。

だけど、今まで唖然としていた男が急に口を開いた。


「あの、蕁麻疹じんましんって?」
「あ、えっと…私…」
「陽菜、子供の頃から男に触れられると蕁麻疹じんましんが出るんだよ。でも何故か俺には最初から平気で。だから陽菜は俺にしか触れない体なわけ。」
「じゃあ、さっきの拒絶は…」
「池上さんに触れられるのが怖くて……すみません。」
「そうだったんだ。俺の方こそ知らずにごめんな。」
「いえ、そんな…。」


陽菜は男の謝罪に気まずそうな表情をしながら俺の腕を強く握ってきた。


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