幸せの先と未来




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「え?じゃあ池上さんに言ったんだ?」
「うん、廉が言ってくれて…。」

昨夜の出来事から一夜明けた翌日。

いつものように出社して午前の業務を終えてのお昼休みに真由とランチのため会社から少し離れたカフェで食事をしながら昨夜の出来事を打ち明けていた。

──朝、出社すると池上さんは "おはよう" と普通に挨拶をしてくれたので私も挨拶を返した。

池上さんには "悪いことしたな。" って考えていた私は池上さんの変わらぬ行動に安堵していた。


「あ、そっか。いつも迎えに来てくれるんだっけ?年下彼氏君。」
「うん。そしたら私が池上さんに食事に誘われてるところで鉢合わせしちゃって…。」

"鉢合わせ" というよりは私が池上さんに腕を掴まれてしまったところを廉に見られてしまっただけなんだけど、それはえて真由には言わないでおくことにした。

「まじ?鉢合わせとか…年下彼氏君ご立腹だったんじゃないの?」
「まあ…。」
「でも、やるね〜年下彼氏君!陽菜愛されてんのね〜!私も会ってみたいな〜年下彼氏君に!」

真由は私が "男性恐怖症だけど、大学生の彼氏がいる。" と話した時から変わらず廉のことは "年下彼氏君" と呼んでいる。

私が何度も "廉" という名前を出しているから名前を知らないはずはないんだけど…。

「……あ、会えるかもしれないよ。廉に。」
「え?」

私は真由が "廉に会いたい" という言葉を聞いてあることを思い出した。

もうすぐこの会社の面接があって廉はこの会社が本命だから面接を受けに来るのだ。

「もうすぐ来年の新入社員の面接あるでしょ?それに受けに来るよ。」

私が真由に面接に廉が受けることを伝えると真由の表情は輝くような笑顔に変わった。

「まじ?話せる機会あるかなー?」
「それはわからない。でも、面接終わったら廉から連絡は来ると思うよ。」
「面接って何時までやってるんだっけ?」
「さあ。人数にもよると思うけど。」
「そうだよね〜。まあ年下彼氏君から連絡来るなら会える可能性はあるんだよね!年下彼氏君から連絡来たら私にも教えてよね!」
「うん、わかった。」

真由の嬉しそうな言葉と表情になにも反論できなかったけれど、真由にはよく廉とのことで相談したりもしていたし一度会わせたいと思っていたから廉が面接に来るのは良い機会かもしれない。

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