心配事【廉視点】




陽菜が俺の手を握ってきたから俺も握り返してゆっくりと口を開いた。


「まあいくら陽菜が俺以外に触れないからって…またあんな事あるかもだし気を付けろよ。昼間とか俺、大学にいるし助けに来れねぇし。」
「うん、わかってる。」
「…あ〜〜。俺も早く就職していつでも陽菜の傍にいれるようになりてぇ〜。」


俺は叫ぶようにそう言葉を紡ぐと陽菜に笑われてしまった。


「笑ってんじゃねぇよ。」


俺が少し怒ったようにそう言うと陽菜は "ごめんごめん" なんて謝りながらもまだ笑っていたからやっぱり俺の気持ちなんてわかってないのだと悟った。

もちろん陽菜のことを守りたいが為だけの理由で陽菜の職場で働きたいわけじゃない。


俺の求めてる条件にピッタリの職場でもあるから。


だけど、やっぱり陽菜のことが心配なのも理由のひとつだったりする。

陽菜は本当に無自覚だから俺がいつでも心配になっているのに気付いていないはず。

講義中だって本当は陽菜のことを考えてるくらいで──。





本当に今までの俺じゃ考えられないくらい陽菜に夢中なんだ。


だからこの先も陽菜以外とは付き合うつもりもないし陽菜以外の女には興味ない──。



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