Prologue



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大学生になったある日の出来事だった。

母親の実弟おとうとで、あるライブハウスを経営している叔父から誘われるがままにまだ無名のインディーズバンドのライブを見に行った。

特にアイドルとかバンドとかそのたぐいの音楽には興味がなくて最初は "見るだけでも見てみよう。" ──そんな軽い気持ちだった。

だけど、初めてそのバンドを見た瞬間に衝撃が走った。
歌が良いのはもちろんだけど、メンバー全員が本当に楽器も上手くてボーカルの歌声にも惚れ込んでしまった。

本当に言葉では表わせないほどの魅力が彼ら─PRISMにはあって私は一瞬で彼らの虜になってしまい、PRISMが叔父のライブハウスでライブを行う度にライブを見に行くほどはまってしまったのだ。
そして、ライブを毎回見に行く程にはまってしまった私を叔父から彼ら─PRISMを私に紹介までしてくれた。



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「え?」
「だからそんなにアイツらが好きなら紹介してやるって言ってるんだよ。」
「え、そ、そんないいよ。紹介とか…。緊張するし。」
「まだインディーズだけど、アイツらは実力がある。オレが今まで見てきたインディーズとは違う。メジャーになったら絶対売れる!そんな可能性のあるアイツらと仲良くなれるんだぞ!」

それは初めてのことだった。
叔父がそこまで絶賛するインディーズバンドは私が知っている限りで今まで一度もいなかったから。

叔父は昔、バンドを組んでいた時代があったそうなのだが……やはり簡単にはメジャーなんてなれるはずもなく叔父の結成していたバンドは解散してしまったらしい。
それでも "音楽" という仕事から離れられなかった叔父は大学で経営学を学び、在学中にバイトをしながら貯金を溜めて大学卒業後にはなんと空き家を買い取り…改装までしてライブハウスを経営してしまったのだ。

もちろんそれは私が産まれる以前の話で私が物心ついた頃に叔父から聞かされた話である。

そんな叔父はもちろん "音楽" にも厳しくて…
今までも何千人…何万人…というバンドや歌手を目指す若者にライブというステージを与えてあげていた。
だけど、私の知る限りでは叔父からはどのバンドも歌手を目指している若者にも "良い" という絶賛の言葉なんて一度も聞いたことはなかった。
だから叔父から初めて絶賛の言葉を聞けるくらいの…お勧めバンド──それが、PRISMという四人組のバンドだった。

確かに叔父が絶賛する程の実力も魅力もPRISMにはあると私も感じていたし何よりも私がこんなにもはまった歌手もPRISMが初めてだったから。

「…私も初めてだったな。歌手なんて興味なかったけど、PRISMは私が見てきた中でも一番かっこいいし魅力のあるバンドだと思うよ!」
「だろ?!だから紹介してやるよ!」



紹介なんて…。
好きだからこそ恐れ多いし緊張するし…
絶対に仲良くなんてなれない。
そう思っていた。

なのに───。

彼ら──PRISMは……。
イチファンでしかない私を
こころよく受け入れてくれたんだ──。

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