Tone to affect a Heart



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──それは私が叔父にPRISMのメンバーを紹介してもらって数日後の出来事だった。

PRISMのライブが終わり、帰り支度をしてから叔父の元へ向かった。

叔父にはいつもライブが終わると夜も遅くなる為、家まで車で送迎してもらっていた。

ただ、ライブハウスの閉館準備や片付けがある為片付けが終わるまで待機しないといけなくて…。

その日も私は叔父の仕事が終わるのを待機していた時だった。


「……乙冬おと?」


突然名前を呼ばれて驚愕きょうがくしたものの誰に呼ばれたのかと不思議に思い、声のした方を見据みすえるとそこには……。

緋呂さんが不思議そうな表情で立っていた。


「緋呂さん!」
「…何してんの。」
「緋呂さんこそ!何してるんですか?」
「何…って。今から帰るとこだけど。」
「…あ、そうなんですね。お疲れ様です!」


私がそう言葉を返すけれど、緋呂さんからは言葉もなくましてや "帰る" と発言したはずなのに…。

帰る様子もなくて私は不思議そうな表情でそのまま緋呂さんを見据みすえることになってしまった。


「…あ、あの…。」
乙冬おとは…。」
「は、はい?」
乙冬おとはまだ帰らねぇの?」


暫しの沈黙の後に緋呂さんから出てきた言葉はそんな言葉だった。

──というか、緋呂さんから私の名前が呼ばれる度に心臓が口から出そうなくらいドキドキしていた。


何故なら叔父に紹介されて自分の名前を名乗りはしたけれど、PRISMの他のメンバーからは "乙冬おとちゃん" 呼びだったし緋呂さんからは紹介の時一度も名前を呼ばれていなかったから。

だからまさか緋呂さんから "乙冬おと" なんて──呼び捨てで呼んでもらえるなんて夢にも思っていなかったのだ。


「…あ、私は…。叔父を待ってるので…。いつも叔父に送ってもらってるんです。」
「…そうか。」


緋呂さんのその返事の後にまた沈黙が続いてしまった。


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