危険な学校 [3/26]






私がその場に呆然と立ち尽くしていると……。


「…何?アンタ?!こんな所で何してるんだ?」


突然聞こえた声に私は俯かせていた顔を上げるとそこに居たのは女子生徒と男子生徒の二人だった。



「……あ、あの…私…。」
「なんだ、もしかして転校生か?」
「そうなのか?美都みさと。」
「そうじゃねぇの?見かけねぇ顔だし…。」
「へぇ〜。結構可愛いじゃん!」
「本当、おめぇは相変わらずだなぁ!」
「まあオレ女の子大好きだからな!」
「…だったら、あたしがいるじゃねぇか!あたしだって女だぜ!?」
「ふざけんなよ!お前みたいなヤンキー女に興味ねぇよ。オレが好きなのはこの子みたいな女の子だから!」


そう言うと突然、男子生徒が私の顎を掴んできた。


私は急なことに怖くて声が出なかった。


そして、私の方にゆっくりと男子生徒が顔を近付けてきた。




──キスされる!




そう思って咄嗟に目をつぶ
身構えた瞬間だった。


「やめろっ!」


突然のそんな声に男子生徒は私の顎を掴んでいた手を離して声のした方に振り向いた。



「響!」


男子生徒から発せられた名前は私にも聞き覚えがあった為、その "響" という名前に反応して私も男子生徒と同じ方角を見る。


そこに居たのは…

まぎれもなく私の会いたかった人…。


桐谷 響きりや きょうだった。



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