味方は元恋敵 [6/6]



私が祐也君に連絡をしなかった理由は今のところ美都(みさと)さんしか知らなくて──。
それを知らないクラスメイトから祐也君に疑問の目が向けられていた。


「…響が学校来るの遅くなるって。…葵(あおい)ちゃん!俺、言ったよね?響と一緒に登校できない時は俺に連絡してって。」
「はい。ごめんなさい。」
「…もう少しで…三年の奴らに連れてかれるところだったぞ。」
「え?なんで…美都(みさと)がそんなこと知ってんの?」


数分前の下駄箱での出来事を美都(みさと)さんはあっさりと祐也君にバラしてしまった。


「偶然通りかかって…あたしが助けた。」
「まじか!やっぱり…目つけられてたんだな。美都(みさと)、ありがとうな!」
「別に。礼なんていらねぇよ。」
「…葵(あおい)ちゃん!…やっぱり一人では危険だって!これからは絶対、俺に連絡して!」
「…わかった。」


祐也君のそんな言葉に私のことを本当に心配してくれているんだとわかって…。


"連絡したら迷惑かもしれない。"

そう思っていた自分が凄く情けなく感じた。



「…てか、まさか…美都(みさと)が葵(あおい)ちゃんを助けたなんて…吃驚(びっくり)だよ。どういう風の吹き回し?」


私が反省している時に、今度は祐也君が美都(みさと)さんに罵声(ばせい)の言葉を放っていた。


「…だからたまたまだよ。…まあ響に頼まれたからなんだけど。」
「…え?直接?」


美都(みさと)さんの "響に頼まれた" という言葉には祐也君も知らなかったようで驚愕の表情で美都(みさと)さんに問い質していた。


「そうだよ。」
「へえ。響が美都(みさと)に頼むなんて…。響のこと怒らせたのにね。」
「それは……響にはもう許してもらった。」
「あ、和解したの?」
「まあな。」
「なんだ、ならよかった。和解したから響も美都(みさと)に頼んだのか…。じゃあこれからは時々葵(あおい)ちゃんのこと助けてよ。」
「…ああ。」


響ちゃんが美都(みさと)さんに私を助けるように頼んだのが本当だってことがわかった。

確かに美都(みさと)さんは私なんかよりも強くて頼りになると思う。

美都(みさと)さんと仲良くなれなくても…。


時々でも助けてくれるなら… "心強い。" と、私は安堵(あんど)していた。


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