味方は元恋敵 [5/6]



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美都みさとさんと一緒に教室へ入ると、案の定今まで有り得なかった光景に教室内が騒がしくなった。


「…え、嘘だろ?!」
「…まじかよ?!…美都みさとが…?!」
「あの、美都みさとが……水瀬みなせちゃんと一緒に教室来るなんて…!!」
「…なぁ、明日…槍降ってこねぇだろな?!」


美都みさとさんに対してそんな罵声が一気に浴びせられた。

確かに私も美都みさとさんに助けられて吃驚びっくりはしたけれど、そこまでの罵声を浴びせるのは美都みさとさんに失礼じゃないかな。


──なんて…そんなことを思わず心の中で呟いてしまった。



「…仕方ねぇだろ…。下駄箱で偶然、三年の先輩どもに絡まれてたのを目撃しちまって…無視するわけにはいかなかったんだから。」
「それで、美都みさとが助けたのか?」
「そうだよ。」
「え?!嘘だろ!信じられねぇ!あんだけ水瀬みなせちゃんのこと嫌ってたのに…。」
「…"嫌い" だとかは関係ねぇよ。…ただ、あたしはもう響に嫌われたくねぇだけだ。」
「…なんだよ。結局、響かよ。」
「まあ確かに響に逆らうのはやべぇよな!?俺達じゃ絶対響には勝てねぇし。」


そんな男子生徒の言葉には今いるクラスメイト全員が納得したように同意していた。


本当に毎回思う。

寧ろいつ聞いても感心させられる。


"響には誰も逆らえない。"


それがこの南條高校のヘッドである響ちゃんの力なのだと。


そんな時──。

突然、廊下の方で慌立だしい足音と共に勢い良く教室の扉が開かれて入ってきたのは…。


あおいちゃん!」
「ほえ?」


突然、呼ばれた自分の名前に吃驚びっくりしてしまっていつになく頓狂とんきょうな声を出しながら教室の扉の方に振り返った。


そこには……まさに "全力疾走してきました!" と思うくらい息切れをしている祐也君がいた。


「…はあ…はあ…。あおい、ちゃん……はあ…はあ…。だい、じょうぶ?」
「祐也、お前が大丈夫かよ?!」


息切れしながら私の心配をする祐也君の言葉に突っ込むように言葉を放ったのは美都みさとさんだった。


「…俺は、大丈夫!…それより、あおいちゃん!なんで!連絡して来ないんだよ?!」
「…あ、ご、ごめんなさい!!」
「…祐也、どうしたんだよ?!」

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