──1 on 1試合開始から数分後…。
2-0で勝っているのはもちろん俺──。
佐々木も負けたくないからなのか俺のプレー阻止に向かっては来るけれど、俺はそれを難無く交わして2点を入れていた。
ちなみに俺はこれでも手を抜いてる方だったりするんだけど、俺が本気を出したら多分─いや、確実に1,2分で試合が終わるだろうから。
「……おい。お前、それで全力かよ。」
「う、うるさいです!まだまだこれからですよ!」
そう挑発的な言葉を発しながら佐々木は俺の方に向かって来てボールをカバーしようとするも─俺はそれをまた難無く交わして…。
ゴールに向かってドリブルを始めた。
そして───。
──ガッコーン!
俺の放ったボールは綺麗にバスケコートへと吸い込まれて網の中に入って行って─それと同時に秋斗の指示の元、試合が終了したのだった。
「…そ、そんなぁ…。」
佐々木はそう呟きながらその場に座り込んでしまった。
俺はそんな佐々木の側にゆっくりと向かって佐々木の前で立ち止まった。
「…佐々木。」
「…なんですか?」
「俺が勝ったんだから
「…桜木先輩は最初から…。わかっていたんですか?」
「は?なにを?」
「俺が負けるのをですよ!」
佐々木がそんなことを言うもんだから俺は驚愕してしまった。