シキ KP

今回回す『庭師は何を口遊む』には秘匿HOがあるため、一度シナリオの内容を知ってしまうと、二度とセッションを楽しめなくなる可能性があります。
TRPGを自らプレイしたい方、このシナリオを通過予定の方は絶対に閲覧しないでください。シキとの約束だよ!



キャラクターの画像はpicrewの以下メーカーからお借りしています。

・証明々(仮)
・男メーカー
・ストイックな男メーカー2nd
・怪異隣人メーカー
・どこでも立ち絵メーカー
・柊祈式女子メーカー




この世界が存在しているから人間が存在しているのではなく、
また人間が存在しているから世界が存在しているのではない。

両者に前後関係はなく、ただあるのは奇妙な縁と因果だけだ。




零課の面々は、的場、猪狩、神童、そして長く付き合っているジャーナリスト泉で飲み屋に集まっていた。

今日は相模原涼の三回目の命日だ。
三年前謎の犯人『庭師』によって殺された同僚の事、そして事件の事を絶対に忘れまいと、必ずこうやって集まるようにしているのだ。


的場 元

そうか、もう三年も経ってしまったか……。俺も一応課は変わっても捜査はしているんだが、如何せん立場が立場だから上手く動けなくてな。すまない。



【的場 元】
零課の先代チーフ。一年だけ桐生たちと一緒のチームで活動していた。
現在は一課に移っているが、零課を気にかけてくれる頼れる上司である。


桐生 鷹臣

そんな、謝らないでください! 我々だって捜査には行き詰まっていますし……。悔しいですが、犯人の方が一枚上手であるということなんだと思います……。


的場 元

桐生、お前が弱気でどうする。らしくないぞ。


桐生 鷹臣

すみません……。なんか、仲間の仇も取れない自分が不甲斐なくて……。


黒羽 凛人

もー、相模原の命日にチーフがメソメソすんのなんて、毎年のことでしょー。それよりお酒注文しよ! みんなビールでいい?


泉 立花

いいわよ!


楠 葵

私はウーロン茶で。


黒羽 凛人

えー。先生も今日くらい飲んだら?


楠 葵

下戸なので遠慮しておきます。


黒羽 凛人

下戸でも飲む人いるよ? 桐生チーフみたいにさー。


楠 葵

他人に迷惑をかける人間は一人いれば十分でしょう。


桐生 鷹臣

うっ、なんでだろう涙が……。


泉 立花

あはは。まぁ、酔い潰れた桐生ちゃんのお世話係は、葵ちゃんになっちゃったしねー。



【泉 立夏】
『ゼロ』発足当初から関わりのあるジャーナリスト。
明るく世話焼きな性格でムードメーカー的存在。


桐生 鷹臣

ご迷惑おかけしてます……。


楠 葵

はい、迷惑かけられてます。


ナツ

ニッコリ笑います。


ハル

補佐からの当たりが強い!


黒羽 凛人

じゃ、頼んじゃうからね!


フユ

店員呼んで注文するぜ。


シキ KP

では、店員が確認してきます。


男性

すみません、念のため年齢確認をお願いしたいのですが……。


黒羽 凛人

えっ、誰に?


男性

あなたです。


黒羽 凛人

はぁー!? 僕が未成年に見えるっての?


楠 葵

はいはい。身分証出しましょうね、凛人くん。


フユ

店員に身分証突きつけるわ。


黒羽 凛人

これで文句ないでしょ?


男性

し、失礼しました……!


黒羽 凛人

まったく、本当に失礼しちゃうよね。


獅子吼 礼央

……先輩は、若く見えますから。


泉 立花

若いっていうか、成長してない?


黒羽 凛人

僕結構気にしてるんだけど、ソレ。


泉 立花

あはは! ごめんごめん!


シキ KP

少しして、店員が全員ぶんの飲み物を運んで来るでしょう。


神童 大輔

そっちも大変だった……よな? 最近は……しっかり眠れているか?



【神童 大輔】
二年半程前から的場の補佐をしている刑事。
目元に大きな傷があり、それが原因でよく麻薬取締(麻取り)に間違われてしまう。控えめな性格で、言葉数もそこまで多い方ではない。


猪狩 幸太郎

あ〜確かに! あの時のアンタらって必死過ぎて怖かったんだよね〜。何か心此処にあらずってやつでさ。ま〜そんなところもお気になんだけどね!



【猪狩 幸太郎】
鑑識のプロであり、その若さでありながら様々なものの鑑識を依頼されている人物。
これだけ見れば優秀な刑事なのだろうが、彼は空気を読む事をしない男である。不謹慎に物事を発言するも本人は気にしない。話し方も緩く、軽い。すぐに全て口に出す。


泉 立花

幸太郎ちゃんはなんというか、ぶれないわね〜。


楠 葵

今も昔も激務には違いありませんが……。最近はまだマシだと思います。ねぇ、桐生チーフ?


桐生 鷹臣

うん、徹夜の数は減ったかな……。


神童 大輔

体を壊す前に、しっかり休めよ……。


楠 葵

ありがとうございます、神童さん。



そうやってワイワイと飲んでいたあなた達。
ポツリポツリと始まった相模原の思い出話から、徐々に事件の本格的な話し合いへと発展していく。

特にこれといって成果はないような話だったが、泉が突然得意げな顔でこう告げてきた。


泉 立花

そもそもあの花、普通じゃなかったじゃない? あんなにいっぺんに色んな花持ち歩いていられる訳ないんだから。


黒羽 凛人

えーっと、あの時相模原の遺体に咲いてた花って……何だっけ?


獅子吼 礼央

アイビー、アザレア……数えきれないほど、咲いていました。


泉 立花

だから、いっそ種が特殊だったかもしれないって私考えてたの。そういう点でちょっと調べものする予定よ。


的場 元

確かに、視点を変える必要はありそうだ。


猪狩 幸太郎

なんかオカルトっぽい!


黒羽 凛人

そりゃオカルトだよ。人の肉に根を張る花なんだから。


桐生 鷹臣

俺も特別詳しいわけじゃないけどさ、そんな花があるなんて聞いたことないんだよなぁ。


猪狩 幸太郎

腐生植物なんて種類はあるんだけどねー。


楠 葵

ギンリョウソウ?


猪狩 幸太郎

そうそう、それそれ!


黒羽 凛人

死体に咲く花なの?


猪狩 幸太郎

昔はギンリョウソウは死体の上に咲く、なんて言われてたんだけど、ちょっと違うんだよね。ギンリョウソウは菌を食べる花だから、死体を分解した菌類に根を張るんだよ。だから、庭師の事件みたいにはならないかな〜。


桐生 鷹臣

相模原の遺体は、腐敗なんてしてなかった。


楠 葵

種が特殊というのも、あながち間違いではないのかもしれませんね。


猪狩 幸太郎

そういえば三年前ってので、なーんかアンタらに聞きたい事あんだよなって思ったんだけど……なんだっけなぁ?


黒羽 凛人

三年前なら、ちょうどバタバタしてた頃だけど。


桐生 鷹臣

庭師のことか?


猪狩 幸太郎

うーん……。忘れちゃったな。ま、大したことじゃないんだろーけど。


神童 大輔

……猪狩は鑑識しか興味がないからな。


的場 元

ある意味特化しているという事だろう。



そんな会話をして、酒もだいぶ進んだ頃。
時計を確認した的場がこう切り出す。


的場 元

さ、そろそろてっぺんを越えるぞ。勘定して帰ろう。


黒羽 凛人

え、もうそんな時間?


桐生 鷹臣

うぅぅぅ〜。ぜっっったい捕まえるからなぁ! にわしぃ〜!


泉 立花

あらら、完全に出来上がっちゃってるわね。


桐生 鷹臣

俺が……俺の手で、ぜったいに……ぐぅ。


ハル

右手にビールジョッキ持ったまま、机に突っ伏して寝ます!


的場 元

桐生、起きろ。帰るぞ。


シキ KP

的場が困った顔で桐生の肩を揺さぶるでしょう。


桐生 鷹臣

うぅ……りょう……。


黒羽 凛人

あーあ、また楠先生のお世話になるパターンだ。


楠 葵

全く……。


的場 元

楠、タクシー代は俺が持つ。桐生のことを頼んでもいいか?


楠 葵

的場さんに頼まれたら断れません。


的場 元

すまないな。


楠 葵

ほら、立ってください桐生チーフ。帰りますよ。


桐生 鷹臣

あおいちゃぁん!


ハル

葵ちゃんに抱きつきます!


楠 葵

はいはい、お家に帰りましょうねー。


ナツ

あやしながら連れ帰りますw


獅子吼 礼央

……凛人先輩は、俺が送ります。


黒羽 凛人

いいよそんなの。酔ってないし!


泉 立花

また補導されるわよ?


黒羽 凛人

うっ……。それは嫌かも……。



こうして飲み会は終わり、あなた達は冬の冷たい空気を感じながら居酒屋を後にする。
家に帰り、それぞれの日課をこなし、眠りについた。

しかし、三回忌という事だからか、相模原の命日だからか……それとも泉が植物の話をしたからなのか。
あなた方はそれにまつわる夢をみる事だろう。


ナツ

来るかSANチェック……。



秘匿情報→桐生 鷹臣
あなたは何か怒鳴っている。
一体何に対してなのか、どうして怒鳴っているのかは解らない。
ただ視界の端で相模原涼が横たわっていた。

秘匿情報→黒羽 凛人
あなたは誰かに何かを懇願している。
「やめてくれ」と叫んでいる。
しかしそれも何かの音によって終わりを告げる。

秘匿情報→獅子吼 礼央
あなたは誰かの声を聴きながら、ひたすら手を伸ばし力を込めている。
煩い息の音は自分自身から発せられていた。

秘匿情報→楠 葵
あなたは酷く怯えている。祈っている。
どうしてか助かりたいのだ。
何に対してとも言えず「ごめんなさい」「許してください」と泣いている。


深い深い森の中にいるような、真っ白な霧に覆われているかのような、言いようのない恐怖が静かに忍び寄っている。
そんな感覚に襲われながら、あなた方は未だ眠りの中に居る事だろう。

そして、まだ日の出が出ていないような時間帯だ。
あなた方は一本の電話で、乱暴に起こされる。
その内容に、思わず息をするのを忘れてしまう。


的場 元

死体があがった。恐らく『庭師』だろう。



あなた方は、その現場へと駆け付ける。


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