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頭上に広がる青空は雲ひとつなく、見ているこちらも晴れやかな気持ちになる。今日は体育があるから良かったな〜と思いながら私は必死に足を動かしていた。
電車には乗れたものの、いつもより一本遅い為走らないと遅刻確定なのだ。
しかし駅に着いてから10分くらいずっと走ってるから学校に着いた頃にはもう屍になってると思…いや、着く前に力尽きそう…。

「ブッハ! 何だその顔ひっでーなぁ」

「わっ!…じっ…二郎…」

い、いつの間にいたの…!全然気づかなかった。
二郎と仲良くなったのは中学校に入学した時だから、結構長い付き合いになる。謂わば幼馴染というやつだ。
初めて会った時こそ同じ身長だったのに今じゃ彼の方がずば抜けて高くなり、少し悔しい気持ちになったのは記憶に新しい。でもこうしてからかってくるところは全く変わらない。

「ちょ、待って、二郎がいるって事は…っ」

「早く行かねーと門閉まるぞ」

二郎はいつも予鈴ギリギリに来る。同じクラスの私はその姿をいつも確認しているからこの状況はとてもやばい。にしても今まで走ってきた筈なのに何でこの人こんなに余裕なの?!

「ひっ、ひぃー…っ」

「…大丈夫か?」

大丈夫そうに見えるのなら貴方の目は節穴だと思います。そんな事思っているとはつゆ知らず、二郎は私のペースに合わせて走ってくれていた。

「先、いってて、も、ダメだから…」

私のせいで二郎にまで迷惑かける訳にはいかない。先に行くように促したところで体力は底をつき、足も完全に動かなくなってしまった。
高校に入ってから無遅刻で頑張ってきたけど、今日でおしまいか…。

「仕方ねぇな…、ん」

立ちながら膝に手を置き、俯かせていた顔を上げると二郎が自分の待っていたスクールバッグを私に突き出していた。
ハテナマークを浮かべながらもバッグを受け取ると、途端に二郎は私に背を向けて腰を下ろした。

「えと、二郎さん? 何してるの?」

「いいから早く乗れ」

乗れ?乗れって…え?

「おぶってやるって言ってんだ!早くしねーと遅刻すんだろが!」

「はっはいぃごめんなさい!」

突然の逆ギレに頭の中のハテナマークが晴れないまま彼の言う通りに背中に身を預ける。左手を二郎の肩に置いて、右肩に彼のスクールバッグの取っ手を掛ける。ていうか二郎の鞄軽すぎ…もしや何も入ってないんじゃ。
すると二郎はすぐ立ち上がり、そのまま走り出した。

「すっごい! 速いねじろー!」

「あんまっ喋ると、舌、噛むぞっ」

途切れ途切れの返答に開けていた口を即座に閉じた。舌噛むと口内炎できるから嫌だ。
…それにしても、実は優しいところも全然変わってないな。口では文句を言いながら何だかんだ助けてくれんだよね。

「二郎」

「あ?」

「ありがっ痛ーーーッ!!!!」

その後無事に遅刻にならず済んだものの舌を思いっきり噛んでしまい結局口内炎になってしまうのだった。



20190913.加筆修正

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