I love youに触れさせて
「あっ、あのねっ!不二子ちゃん、私にお化粧を教えてください!」
何度も何度も言葉を飲み込んで、やっとのことで飛び出た声は思っていたより大きかったものだから、キッチンでガレットを焼いているルパンお兄様も、ソファで拳銃を磨いていた次元さんもぽかんと間抜けな表情で私を見た。私がもたもたと迷っている間も辛抱強く待っていてくれた不二子ちゃんもびっくりした顔でこちらを見上げている。ルパンお兄様がやいのやいのとフライ返しを振り回して言った。
「お化粧なんてしなくてもすでに可愛いでしょうがぁ!」
「不二子テメェなまえに何吹き込みやがった!」
「ま〜っ次元失礼ね!?」
半ば不二子ちゃんに掴まれるようにソファへ沈み込んだ私を3人が取り囲む。まさか近所の悪ガキが何か言ったんじゃないかとかもしやこの間宝物をいただきにお邪魔した大豪邸で何かあったんじゃないかとか言い合う3人の顔はとてもとても心配そうだった。
「ねーなまえちゃぁんどったの?なんかやなことあった?おにーさまたちにお話してみーよ!」
「えっとね、そんな大したことじゃないの……あのね、私……えっと……」
「大丈夫だ。ゆっくりでいいぞ」
「で、デートするの!」
「「「……でぇと〜〜〜〜〜〜〜!?」」」
ガチャリ。揃って大声を出した保護者たちの手には既にそれぞれの武器ががっちりと握られている。ルパンお兄様の目は笑っていなかったし、次元さんは今にも家を飛び出しそうだ。不二子ちゃんもすこしだけ怖い顔をしていた。
「……やだぁルパン、デートですって」
「……そうだよな。俺の可愛いなまえもそんな年か」
「ルパンに不二子。正直なところそれは今はどうでも良い。問題はこいつのデート相手が誰かってところだ」
「……ねえなまえちゃん?いい子だから答えてほしいの。……誰と、デートするのかしら?」
武器を完璧に構えた保護者たちがじりじりと私を追い詰めてゆく。追い詰めるも何も私はソファに座っているわけで、強張った身体をできるだけ逸らして縮こまることしかできないんだけど。その時ガチャリと誰かが家に入ってきた。
「おいなまえ。明日遊園地へ出掛ける話だが。……………………………………???」
両手に大量の買い物袋を抱え頭にねこを数匹乗せた五ェ門に、モンスターペアレントたちが飛び掛かるまであと0.1秒。
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(あとがき)
ルパンファミリー妹分過去文。ルパンに妹分がいたらあのおちゃらけた調子で「お兄様って呼んでねかわいこちゅぁ〜〜〜〜ん」とか言ってそうだな……と思って書きました。この設定のままのpart5夢がお蔵入りしたままなのでいつか完成できたらいいな……!