とうめい

02

「降りるじゃん」

「うわあ、、!凄い!流石木の葉の里って言うだけ緑がたくさーん!」


木の葉の入り口の駅へ到着し、3人揃って降りる。
ほぼ砂漠の里でしか過ごした事の無い私にとって緑あふれる木の葉の里は感極まるものがある。
凄い凄いとはしゃいでると近づいてくる人影。


「おーい、我愛羅!カンクロウ!」



大きな声を出して我愛羅を呼ぶ金髪の人。
誰だろう、
その横には黒髪を一つに束ね、髭を蓄えている人がいる。
この人はどこかで見た事あるな、誰だっけ

「お、ナルトとシカマルじゃんよ」

おー!と返事をしながら手を振るカンクロウさんの言葉に、
あ、シカマルさんて写真で見た、テマリさんの旦那さんだ!
ふむふむ、あの人がテマリさんの旦那さんかあ、本物を見るのは初めてだ。
息子さんもいるんだよね?テマリさんに似てるのかなあ、それともお父さん似かな?会ってみたいなあ

「名前、お前は初めてだったな」

「え、あ、うん。木の葉に来る事自体初めてだから」

「風影の妻なんだからよ、恥ずかしく無いように振るまえよな、お前のせいで我愛羅が恥かく事になったら俺が一からマナー叩きこんでやるじゃん」

「、!だ、大丈夫ですぅ〜!ちゃんとできますぅ〜!」


そう言い合いをしているうち、迎えに来てくれた2人が久しぶりだな、と声をかけてくる。

「、と、そっちの姉ちゃんは?」

「お前、我愛羅の嫁だったか?テマリから聞いてるぜ」

「嫁〜〜?!我愛羅の?!」


シカマルさんは私の事知ってるんだ。テマリさん、どんな風に私の事話したんだろう、、

シカマルさんに向かって会釈をしていると、
金髪の人がへぇ〜とかほぉ〜とか言いながら私の顔を珍しいものでも見るかのように覗き込んでくる。
太陽の様なキラキラした目に、恥ずかしさが込み上げてくる。
ここは、風影の妻としてきちんとしなければ、、


「あ、あの、名前といいます。今回の五影会談の際に、勝手ながら御同行させていただきました。ご迷惑はかけませんので、よろしくお願い致します」

ペコ、と深くお辞儀をして挨拶をする。
珍しく塩らしい態度じゃん、と横からカンクロウさんが言ってくるが無視無視。

頭を上げて金髪の人の顔を見ると、ふいにカンクロウさんとは逆側にいた我愛羅に肩を引き寄せられた。

「いつもあまり相手にしてやれない分、木の葉でゆっくり観光でもと思ってな。よろしく頼む」


我愛羅からの思いもよらぬ言葉を聞いて顔が赤くなるのを感じ、あの、えっと、と何を言っていいのか分からなくなる。

「おう!こちらこそよろしくな!会談中は一人になるだろうから、うちに居てくれてもいいってばよ!」

「は、はい!ありがとうございます!あ、あの、お名前は、」


そう聞けば、そういえばまだ名乗って無かったと、笑顔でうずまきナルト、七代目火影だ!と名乗ってくれる。

、、この人が火影様、我愛羅が風影になったきっかけをくれた、救ってくれた人だって言ってた、ナルトさん、。

「あなたが!、、私知りませんで、申し訳ありません!我愛羅がお世話になったようで、ありがとうございます!」


ガバッ!ともう一度、先程より大きくお辞儀をした私に驚く様子のナルトさん。


「はははっ!名前ちゃんおもしれぇってばよ!我愛羅、良い娘捕まえたな〜〜!」

「ナルト、他の影達も集まってくる頃だ。そろそろ行くぜ。俺は名前をナルトん家まで送って行ってから合流する。うちでも良かったが今日はテマリが居ねえからな、」

「悪いなシカマル。名前、会談が終わったら迎えに行く。」


とりあえず私はナルトさん家にお邪魔する事になったようで、ナルトさん、我愛羅、カンクロウさんと別れる。
別れ際に我愛羅が風と書かれた笠を被り、行ってくる、と声をかけてくれ、行ってらっしゃいの意味を込めて小さく微笑みを返した。



「シカマルー!そいつ割と口が悪いじゃん!気ぃつけろよ〜!」

「は、はあ?!悪くないし!変な事言うなよ隈取りやろーが!!」


「、、、、、ったく、めんどくせー」